被爆者に年末見舞金を贈るつどい 手を取り合ってきた58年の歴史
東友会と東京原水協が共催する「被爆者に年末見舞金を贈るつどい」が2022年12月4日、平和と労働センター2階ホールで開催、32区市61人が参加しました。今回で58回目となるこの見舞金は、東京原水協が、被爆者への支援の一環として、街頭で募金を呼びかけて集めているものです。
今回の講演は、「原水爆禁止運動のこれまでとこれから ――被爆者とともに――」と題し、2022年ショーン・マクブライド平和賞を受賞した日本原水協の高草木博代表理事を講師に招いておこなわれました。
原水爆禁止運動が始まった経過から、見舞金を贈るようになった被爆者援護・連帯の歴史を順序立てて説明。原爆孤児の問題、サンフランシスコ講和条約で日本政府が日本国および国民のすべての請求権を放棄したこと、日本原水協が最初に始めたのが被爆者を救う「国民募金」だったことなどが紹介され、改めて年末見舞行動の重要性を示すものとなりました。
1955年8月6日の第1回原水爆禁止世界大会の「宣言」には、「将来もしも原子戦争が起こるならば、世界中がヒロシマ、ナガサキ、ビキニになり、私たちの子孫は全滅するでしょう。原水爆被害者の不幸な実相は、広く世界に知られなければなりません。その救済は世界的な救済運動を通じて急がなければなりません。それが本当の原水爆禁止運動の基礎であります。原水爆が禁止されてこそ、真に被害者を救うことができます」
とあります。これは原爆被害への国家補償と核兵器廃絶を求める被爆者の運動と同じ目標を持っていることだと紹介されました。
講演後の贈呈式では、東京原水協の柴田桂馬顧問から東友会の家島昌志代表理事へ、被爆者148人の見舞金44万円余が贈られました。
引き続き、東京原水協の市川順子事務局次長が、原水協の被爆者援護・連帯の取り組みを報告。東友会の的早克真理事(相談員)が、見舞い訪問時の注意を説明しました。
参加者の多くから、講演を聞いて「なぜ58年も被爆者の支援を原水協が続けてきたのか、よく理解できた」との声が聞かれました。
2022年も東都生協の組合員が手作りした膝掛けなどの編み物61枚が届き、年末見舞い行動のなかで、見舞金といっしょに都内各地の被爆者に届けられます。