被爆者相談所および法人事務所
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東京都福祉保健局と東友会の懇談 変わらぬ都の支援に感謝

高齢化する被爆者・二世への支援これからも

 2022年11月14日に東京都健康プラザ・ハイジアで東京都福祉保健局と東友会の定例懇談会が開かれました。懇談会は1992年11月から毎年開かれ、今回が31回目。東京都からは播磨あかね保健政策調整担当部長、間永久美子疾病対策事業調整担当課長、安田淑恵疾病対策課長代理と被爆者援護担当の職員3人が参加しました。東友会側は、16区市の地区の会代表の被爆者と「おりづるの子」(東京被爆二世の会)の代表、東友会相談員を含めて27人が参加しました。
 懇談会は東京都側の司会で始まり、播磨部長が「黒い雨」地域での被爆者手帳申請を進めていること、都の被爆者援護事業に東友会から多大な協力を得ていることへの感謝と77年間も後遺症への不安を抱く被爆者に寄り添う温かい挨拶の後、参加した都職員の紹介がありました。東友会側が司会を担当した後、参加者全員で黙祷。東友会の家島昌志代表理事が被爆者援護担当職員の日頃の支援への感謝を述べ、東友会関係の出席者全員が紹介されました。
 恒例となっている被爆証言は、10歳のとき東京空襲と広島被爆を体験した練馬区の東條明子さんが担当。僧侶でもある東條さんは、証言の最後に、「兵戈無用」、「不殺生」「殺すなかれ」という釈尊の思想の言葉を紹介しました。この証言の時間は、福祉保健局職員3人も参加しました。
 東友会は、「黒い雨」関連の被爆者手帳申請の迅速化、相談事業の東友会と東京都との連携、被爆者健康診断、「被爆者の子」の制度の充実、被爆体験の保存、東友会への委託費などについて、濱住治郞、湊武、村田未知子の各執行理事と的早克真理事が説明。医師でもある青木克明理事(二世)が、乳がんの視触診は医師の指示があった場合のみにおこなうと健診案内に2022年度から明記していただいたことに感謝し、二世の胃がん検診はX線のみだが内視鏡でも受けられるようにしてほしいと要望しました。
 間永課長は、被爆二世の胃がん検診にも胃カメラの導入を検討したいと述べ、他の事項にも丁寧に回答。東京都のウェブサイトで調べられる被爆者と被爆二世の数値データの紹介なども具体的に示され、好評でした。
 最後に東友会の家島代表理事が謝辞を述べ、播磨部長は、貴重な被爆証言を聞けたことに感謝し、みなさんの願いは厚生労働省に要望するとの挨拶がありました。

広い部屋に並べられた長机に間隔を置いて椅子が置かれ、参加者が着席している。1人が会場前方でマイクを持って話をしている。
東京都の被爆者援護担当の職員に日ごろの感謝を伝えて
会場前方マイクを使って話す東條さん。マスクではなく、透明なマウスガードを使っている。脇に立てられたホワイトボードに、「すべてが杖罰に慄え すべてが死を怖れる 我が身に引き比べて 殺す勿れ、殺さしむる勿れ。 ――法句経――」と書かれた紙が貼られている。
被爆証言をおこなう東條さん