被爆者相談所および法人事務所
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NPT再検討会議への要請団 原爆展、証言活動など連日奮闘

 2022年8月1日から26日までニューヨークの国連本部で開かれた第10回NPT(核不拡散条約)再検討会議に向け、日本被団協は2日から9日まで4人の代表を派遣。原爆展や証言活動、NGOセッションでの発言のほか、各国代表部への要請、市民との交流をおこないました。代表のひとり濱住治郎日本被団協事務局次長(東友会執行理事)に現地での活動を報告してもらいました。

各国政府への要請・懇談

 2日、ニューヨークに到着してすぐ国連入館手続きをおこない活動を開始。3日、4日はイギリス、オーストリア、メキシコの代表と懇談しました。日本の小笠原一郎軍縮大使とも懇談しましたが、核兵器禁止条約の役割については「意味がない」と語っていました。国連軍縮担当上級代表の中満泉国連事務次長との懇談では、カナダ在住のサーロー節子さんも同席し、被爆者の思いを伝えました。

国連原爆展

 5日の国連原爆展オープニングには、スラウビネンNPT再検討会議議長や田上富久長崎市長らも参加。この原爆展も4回目で、テープカット後、ニューヨーク市民をはじめ世界各国の旅行者など多くの人びとが、48枚のパネルを熱心に見ていました。

会場で横に並んで立つ被爆者とNPT再検討会議議長、長崎市長ら。
原爆展の開会式で

NGOセッション

 5日、国連本部で開かれたNGOセッションでは日本被団協の和田征子事務局次長が登壇。核保有国とその同盟国の不誠実さや傲慢さを批判し、「核兵器は人が作り、人が使いました。そうであれば、なくすことができるのも人の英知と公共の良心であり責任です」と締めくくると、大きな拍手に包まれました。

証言・交流

 4日午後、ドイツからNPTに参加した10人の若者に、胎内被爆者の濱住が証言。6日は東京大学のNY事務所、7日は聖ヨハネ教会で3人が被爆証言をおこないました。
 今回の訪米は生協連のみなさん6人と同行、現地の通訳ボランティアの力強いサポートをいただきました。

最終文書合意されず

 NPT再検討会議は20年の開催予定でしたが、コロナ禍で延期。今回、日本の岸田文雄首相は、NPTを守り抜くとして「ヒロシマ・アクション・プラン」を提案しましたが、核兵器禁止条約にはひと言も触れませんでした。
 各国代表が発言したあと、軍縮、不拡散、平和利用の3つの分科会に分かれ合意文書に向けて協議しましたが、26日の最終日、ロシアの反対で不成立。前回15年に続き合意がなりませんでした。
 今回はロシアのウクライナ侵略という情勢が色濃く反映し、「核先制不使用」や「核の威嚇の禁止」の合意を核保有国が拒絶。保有国の身勝手さが目立ちました。
 日本被団協は、「最終文書の不採択にひるむことなく、核兵器を廃絶し人類の危機を救うことを訴えます」と述べた声明を出しました。
 次回のNPT再検討会議は2026年の開催予定です。