被爆者相談所および法人事務所
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広島「東京の木」 公園の工事で移植中

 「広島に帰っても、すべて焼かれてしまって、行くところがない」という被爆者の声を受けて、東友会は被爆40年(1985年)を期して広島・長崎両市に依頼して東京の被爆者の「拠り所」として「東京の木」を植樹しました。以後2021年まで36年間、毎年8月に広島と長崎を訪ねた被爆者と東京から帰広、帰崎した被爆者や家族が「東京の木」の前に集い「献水式」を続けてきました。
 広島市にはケヤキ3本を中央公園に植樹。東京のある武蔵野台地でたくましく生きる被爆者の象徴として、火災に際して水を吹くといわれるケヤキを選びました。
 長崎市には被爆者の生きる証しとして、被爆後最初に芽吹いたというクロガネモチ1本を選び、平和公園に植樹しました。
 2022年8月5日、「献水式」のために中央公園を訪ねたところ、公園がフェンスで囲まれサッカー場の建設工事が進められていました。作業員に聞くと「伐採したのでは」とのこと。このため2022年の「献水式」を中止し、帰京後ケヤキの行方を広島市に問い合わせると、広島市都市整備局スタジアム建設部の方から、仮移植の経緯と移植されたケヤキなどの写真が届きました。
 広島市の話では、工事が終了する2023年夏か24年には同公園に戻るとのこと。元気なケヤキと再会できることを楽しみにしたいと東友会で話し合っています。

もとの枝の大部分が切られ、新たに細い枝をたくさん出して葉をつけているケヤキ。幹には保護のため布が巻かれ、倒伏を防ぐ3本の支柱がくくりつけられている。
仮移植中のケヤキの1本
正面に「東京都原爆被害者団体協議会(東友会)」、側面に「昭和六十一年四月一日」と書かれた、四角柱の標柱。てっぺんは低い四角錐。
記念植樹の標柱