おりづるの子(東京被爆二世の会) 今こそ核兵器廃絶の実現を
2013年に発足したおりづるの子(東京被爆二世の会)は、結成5年目の活動を続けています。2017年10月には核兵器禁止条約についての学習交流会を開催するなど、種々の取り組みを重ねています。
10月に核兵器禁止条約の学習会を開催
おりづるの子では毎年、5月に定期総会を開催するとともに、全会員に呼びかける学習交流会を秋と春に企画しています。2017年度の秋の学習交流会として、10月28日に学習交流会「核兵器禁止条約──世界を動かす被爆者の声」を開催。講師は日本被団協事務局次長の藤森俊希氏です。10年に長野県原爆被害者の会会長、12年から現職に就き、核兵器廃絶や核兵器禁止条約をめぐる国際会議に数多く参加・発言しています。
1歳4カ月のときに家族7人とともに広島で被爆された体験、日本被団協が訴え続けてきたこと、核兵器開発の進展と核軍縮・核兵器廃絶を求める世界的な動きなどを順序立てて語り、とくに、2013年から2014年にかけてノルウェー・オスロ、メキシコ・ナジャリット、オーストリア・ウィーンで開かれた核兵器の非人道性に関する国際会議が究明した結論は、核兵器は国境を越えて広がる、そのときどの国も国際機関も救援の術がない、したがって核兵器の不使用こそ人類の利益であり、核兵器の不使用を保証するためには核兵器を廃絶する以外あり得ない、というものであったことを強調しました。
休憩後は、参加者からの質問、意見が続きました。
核兵器廃絶の課題を、父母の被爆体験、被爆者の子として考えてきたこと、取り組んできたことを交えながら、今こそ被爆二世・三世らが力を合わせて、核兵器禁止条約、核兵器廃絶を実現しようとの思いを新たにしました。
2018年3月17日には春の学習交流会を予定しています。
ヒバクシャ国際署名への取り組みを重ねて
秋の学習交流会では、ヒバクシャ国際署名への取り組みや進め方の工夫についても多くの質疑や討論が聞かれました。おりづるの子は、同署名を東京で広げるための「東京連絡会」が、東友会や都内の平和団体、市民団体らによって16年11月に発足したのをうけて、2017年1月に同会への参加を決めて、2月からその会合に参加しています。
2017年6月17日に東京・新宿で取り組まれたおりづるパレードには多くの被爆二世も参加し、「核兵器のない世界の実現を」と声を上げました。日本原水協などが呼びかけている毎月の6・9行動にも有志が参加し、今年1月6日に行われた浅草雷門前での署名呼びかけ活動には多くの被爆者らとともに、おりづるの子の被爆二世3人も参加し、初詣で賑わう人々に署名への協力を訴えました。また、機会をとらえてあらためて全会員向けに署名用紙を配付することも検討しています。
心や体の悩みを寄せ合って制度改善の実現を
おりづるの子には、被爆二世・三世の健康・医療、東京都の制度についての問い合わせや要望も寄せられています。
これらを受けて、2017年7月26日、東友会が毎年開催している東京都福祉保健局との懇談会に参加。現在は春と秋の各2カ月に限られている健診時期の拡大、被爆二世がん検診への胃カメラ検査の早期採用を求めました。
また、健康・医療問題、被爆体験の継承や平和を求める活動など、おりづるの子としての東京都への要望をまとめて、都議会各会派などに届けることも検討しています。
東友会が都内の各地で開催している「地区なんでも相談会」に、原則として当会からも運営委員らが毎回参加することとし、練馬(8月21日)、目黒・渋谷・品川(10月19日)の相談会に、当会の案内資料等を持参して参加しました。また東友会との定期協議を、3カ月に1回のサイクルで継続しています。