東友会被爆70年事業「世界へのことづて」を開始
後世に伝えたいことをいま
被爆70年を期して東友会は3月12日に、「世界へのことづて」への参加を呼びかけました。これは「身体が思うように動かなくなった被爆者も参加できる運動を」と話しあって呼びかけることにしたもの。6月末を区切りにして、「東友」3月号に同封して呼びかけるほか、地区の会の総会、相談会などでも協力を呼びかけることにしています。被爆者本人が記入できない場合は、家族のみなさんやボランティアの協力をお願いすることにしています。
東友会は1992年1月、原爆死没者の遺族に「平和への遺言」運動をよびかけました。当時から政府は、戦争の犠牲を「受忍(がまん)」せよと国民に強い、原爆死没者にも弔意や償いを拒否しつづけていました。「平和への遺言」は、この政府の姿勢を糾すために、原爆死の実相と原爆死没者の願いを遺族から集めたものでした。集まった108人の原爆死没者の記録を東友会は1993年9月に会結成35周年事業の刊行物にしました。
さらに東友会は高齢化がすすむ被爆者の平和と核兵器廃絶への願いを残そうと、1994年5月に「未来への伝言」への記載をよびかけました。この運動は、都内の地区被爆者の会から全国に広がり、各地で「未来への伝言」を集めた証言集が発行されました。東友会に集まった540人分の「伝言」はコンピューターに登録した後、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館に送り、保存・公開されています。
平均年齢が80歳を超え、被爆者手帳所持者が最高時の半数となった被爆70年の「ことづて」運動は、東友会が東京の被爆者によびかける最後の語り残しになると思われます。みなさんのご参加、ご協力をお願いいたします。