東友会医療講演会 「認知症とのつきあい方」
認知症への理解を深められた講演会 関心高く質疑応答も活発に
「2014年度東友会第1回医療講演会」が12月7日、中野区内の会場で開かれ、45人が参加しました。講師は、同区内の川島診療所所長・谷川智行医師。テーマは「認知症とのつきあい方」でした。
講演では、「認知症による物忘れ」と「年齢にともなう物忘れ」の違いにふれ、「忘れたもの」をきっかけがあれば思い出すならば心配はない、と説明しました。「認知症」と似た症状の病気、認知症の診断の仕方、認知症の種類やその特徴を挙げ、「認知症」は単一の病名ではなく様ざまな病気による状態であると話し、予防の仕方や治療、家族や周囲の人がどうつきあっていけばよいのかなどについて、スライドを使って詳しく、わかりやすく語りました。まとめとして、「認知症の人の世界」を理解することの大切さ、「認知症の人が安心して暮らせる社会」を実現していくことが重要だと締めくくりました。
講演を聞いた被爆者から、自分の体験や症状、受けている治療についての疑問、早期発見のための検査や治療について、次つぎと出される質問にも丁寧に回答。予防のためにはリズムに乗った運動や他人との交流が大切とアドバイスしました。
最後に、介護保険制度が2015年から大幅改定されることにふれ、認知症の人も安心して暮らしていくために社会保障制度を守っていかなければならないことを強調。会場から大きな拍手がわきました。
参加者からの感想には「先にぼけた方が天国と聞いたことがあったが、とんでもない。本人には大変なことなのだと理解してあげないといけないのだとわかった」、「認知症の判定スケールは非常に参考になった」「人格を尊重することの大切さを実感」などの声が寄せられました。