原爆症認定ケースbyケース
「東友」6月号で紹介した後、東友会を通じて原爆症認定申請をした被爆者のうち4人が認定され1人が却下されました。さらに、異議申立を提出していた1人が認容され却下が取り消されましたので紹介します。(2012年6月17日から7月17日)
東友会扱いで現在原爆症認定の審査結果を待っている人は35人、この人びとの申請期間は、2008年5月から2012年5月末まで。却下処分に対して8件の異議申立を被爆者と遺族が提出しています。(提訴者をのぞく)
東友会がお手伝いした原爆症認定申請のうち「資料不足」の理由で却下された事例が2件ありました。今回異議申立が認容された事例は、担当した弁護士が病院を訪ねて主治医に依頼し、病状の説明書、カルテのコピーや血液検査のデータのコピーを資料として添付し、家族が病状を記した日記のコピーもつけ、申請者の病状が深刻な状態であることを上申書にして、異議申立書とともに提出していました。
「資料不足」とされた他の1件は、乳ガンの手術後に受けた放射線治療の傷痕の皮膚潰瘍について申請しました。この事例で国は、申請時から24年前に受けた乳ガンの手術時の資料がないことを「資料不足」として却下しています。
原爆症認定申請の結果
認定
申請病名 | 性別 | 被爆時年齢 | 被爆状況 | 申請年月ほか |
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肺ガン | 女性 | 6歳 | 長崎3.5キロ直爆 | 2011年5月申請。 |
胃ガン | 女性 | 18歳 | 広島2.5キロ直爆 | 2011年12月申請。 |
肝臓ガン | 男性 | 11歳 | 広島8月6日入市 | 2011年12月申請、2012年7月死去。 |
胆管ガン | 女性 | 7歳 | 長崎1.8キロ直爆 | 2012年1月申請。 |
却下
申請病名 | 性別 | 被爆時年齢 | 被爆状況 | 申請年月ほか |
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肺ガン | 男性 | 6歳 | 長崎3号被爆 | 2009年8月申請、2010年1月死去。 |
異議申立の結果
却下取消・認定
申請病名 | 性別 | 被爆時年齢 | 被爆状況 | 申請年月ほか |
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骨髄異形成症候群 | 男性 | 9歳 | 広島8月8日入市 | 2010年3月認定申請、2011年6月却下 却下理由:資料不足、2011年9月異議申立。 |