厚労省 原爆症認定制度「検討会」 現行制度維持の「中間まとめ」
日本被団協が問題点を指摘した「見解」を発表
原爆症認定制度のあり方について議論をすすめている「原爆症認定制度の在り方に関する検討会」は、2012年6月28日の第13回検討会で、「中間まとめ」をおこないました。神野直彦座長はこの「中間まとめ」を「ベースキャンプにして秋から登山にとりかかる」という表現で承認し、予定されていた7月10日の第14回検討会を中止しました。
これについて日本被団協代表理事会は7月12日、「見解」を確認、関係筋に提示していくことにしました。「見解」の要旨は次のとおりです。
「中間まとめ」には、日本被団協の提起したことや田中煕巳・日本被団協代表が求めたことが、表現をかえて織り込まれていることは認めるが、不適切な表現や課題が残されている。
被爆者施策の基本は「国家補償的性格」であるが、この考えは組み込まれていない。「よりよい制度をめざす方向は一致している」といっているが、ここには現行制度の維持にとどめようとする厚労省の意図がある。
放射線起因性の証明責任を被爆者に課しているが、科学的に不確実なことを証明させるのではなく、「疑わしきは被爆者有利に」の方向で認定することこそ、共通認識にすべきである。
手当については、被爆者の高齢化を考慮して複雑にすべきでない。
検討会が結論を出さないでいるいまでも、認定申請却下は続いている。いたずらに結論を先延ばしするのではなく、検討会でこれまでに出された積極的意見を取り入れて、早急なとりまとめをおこなうよう要望する。