「伝えようヒロシマ・ナガサキ 東京原爆展」7000人以上の参観者
東京の被爆者が描いた絵、折り鶴コーナーが好評
東友会は2011年11月3日から7日までの5日間、東京都庁第一本庁舎45階・南展望室で、「伝えようヒロシマ・ナガサキ 東京原爆展」を開催しました。都庁展望室での「原爆展」は、2009年2月に結成50周年記念事業として開いて以来毎年度開催し、今回は4回目。参観者は5日間で7000人にのぼりました。
2011年の原爆展の特徴は、東京に住む被爆者の思いと願いを展示にあらわしたこと。2011年2月に亡くなった藤平典副会長の血染めの報国隊の腕章や当時の日記と、2011年はじめて展示した寺井邦人さん(故人・板橋)、川田義男さん(江戸川区)、竹内勇さん(故人・中野区)、田邉俊三郎さん(調布)、佐野博敏さん(三鷹)が被爆当時を描いた36枚の絵は、参観者の注目を集めていました。
さらに、被爆者の視点から原爆が人間に与えた被害を伝えたいと作成された「原爆と人間展」パネル、2010年国連本部で展示された「ヒロシマ・ナガサキから世界へのメッセージ」パネルも展示。第五福竜丸展示館の協力で、広島市が収集した被爆で溶けたビンや瓦などの現物資料も展示されました。
都庁展望室には、国内だけでなく海外からも観光客が多数訪れます。今回も中国・韓国などのアジア諸国、メキシコ、ポルトガルなどの人びとが見学。展示物に見入り、スタッフや通訳ボランティアに質問する姿が多く見られました。
「折り鶴」が子ども、外国人に大人気 鶴を折ることが平和への行動に
交流も深まりスタッフには励み
東京原爆展の会場には、社会科見学の小学4年生150人も来場。原爆瓦に触れて実感したり、被爆者の説明を熱心にメモしていました。
さらに東京都福祉保健局からは被爆者援護担当部長、課長など多数の職員が来場。民主党と共産党の都議会議員7人、広島・長崎両市の職員、協賛した東京都生協連と東京地婦連の役員も来場し、熱心に参観しました。
今回の原爆展のもう一つの特徴は「折り鶴」。手が空いたスタッフが、折り紙で鶴を折っていると、興味を示した子どもや外国人女性が足を止め、通訳ボランティアに「折り方を教えてほしい」という要望も。そこで、各コーナーで即席の「折り紙教室」が開かれ、被爆者と交流を深める機会にもなりました。
展示を見た内外の人たちからは、「被爆した母の体験を子ども、孫へと引き継いでまいります」「小学生のわが子たちもぜひ連れてきたかった」「二度と戦争をおこしてはいけないというみなさまのメッセージが伝わってきました」など、多くの感想が寄せられました。