被爆者相談所および法人事務所
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被爆二世の医療費制度の改善 東友会の運動が実る

病気の被爆二世の負担低減 診断書が大幅に簡略化

 2011年6月から東京都の被爆二世の医療費助成に必要な診断書と更新用の診断書が大幅に簡略化されました。
 これにさきだって、2010年12月15日、都議会本会議で「被爆者の子」(被爆二世)の医療費助成に関する請願が、全会派一致で意見付採択をされました。この請願は2010年9月16日に東友会が民主党、自民党、公明党、共産党、生活者ネット・未来の全会派の9人の都議会議員が紹介をとりつけて提出したもの。
 請願は、「被爆者の子」の医療費助成が、被爆者援護都条例の趣旨にそって実施されるよう更新手続きの緩和を求めていました。
 都議会の「意見付採択」とは「請願の趣旨にそうよう努力されたい」というもので、この採択は東京都の担当局に、制度の改善を求めたものとなり、今回の緩和につながりました。
 2010年の請願提出は、ガンの経過観察を受けている2人の被爆二世からの東友会への相談がきっかけでした。
 2010年8月末、当時41歳の被爆二世からは、「2009年8月に手術した乳ガンの医療費助成の継続が非認定になった。異議申立をしたい」という電話がありました。この女性の乳ガンは浸潤していて10年間は治療や経過観察のくり返しが必要だといわれ、更新時はたまたま治療の効果をみていたときでした。
 同時期に当時51歳の被爆二世からも、2010年10月に手術した中咽頭ガンの医療費助成の継続が非認定になったという相談が寄せられていました。この女性は手術のとき気管切開をした傷がまだふさがっていない状態でした。
 東友会と東京都の懇談会はは、1997年度から14年間毎年開かれ、今回で20回目となり、毎年東友会と地区の会代表が直接、被爆者の願いを伝えています。被爆二世の医療費問題は、ほとんど毎回、懇談会のテーマにとりあげてきました。
 2011年の懇談会は7月11日に予定されていますが、東友会は今回も、発作時の救急治療や確定診断が出るまでには高額な費用がかかる疾病については、発症時までさかのぼった支給を、更新期間については、疾病の一般的な治療状況に準じて廃止や延長を求めていくことにしています。