日本被団協シンポジウム 原爆もたらした国の責任あいまいにするな
2010年12月12日、「『基本懇』答申30周年シンポジウム」が主婦会館プラザエフで開かれ、130人が参加しました。「国民はひとしく戦争被害を受忍せよ」という答申を「原爆被爆者対策基本問題懇談会(基本懇)」が発表した1980年12月11日から30年が経過し、当時の議事録が公開されたことを機に日本被団協が開催したもの。
シンポジウムでは、濱谷正晴一橋大学名誉教授、田中熙巳日本被団協事務局長、内藤雅義弁護士、直野章子九州大学大学院准教授の4人がパネリストとして登壇。基本懇答申の内容や「受忍論」に対する世界的視点からの問題提起などについて発言しました。
参加者をまじえた討論では、基本懇答申をきっかけに、原爆被害をもたらした国の責任を問う被爆者の国家補償運動が前進し、「原爆被害者の基本要求」へと高められたこと、ひいては一般の戦争被害に対する国家補償要求へと発展したことなどが、こもごも語られました。
さらに、ふたたび戦争被害をがまんする事態をおこさせないために国の姿勢を根本から改めさせるべきといった積極的な意見も出されるなど、被爆者運動の展望を示すシンポジウムとなりました。