被爆者相談所および法人事務所
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被爆の実相普及にとりくむ地区の会(都内の被爆者の会)

被爆65周年を核兵器廃絶の転機に

 東友会は、2009年に引き続き2010年2月にも都庁展望室で「東京原爆展」を開催します。各地区の会でも、それぞれに工夫を凝らして原爆展や被爆体験の証言活動をおこない、実相普及にとりくんでいます。2009年度の実績は、1年間に29市区町村69カ所で原爆展等が開催され、5万4000人が参観しました。8月の開催が多いものの、季節行事にしないために年間を通じて実相普及活動にとりくんでいる地域も増えています。「東友」1月号の特集用に募集した中から、いくつかを紹介します。 (構成・文責:編集部)

江東 区内をきめ細かく巡回 参観者の感想に励まされる

 江東・江友会は、被爆の実相を絶やさず広めていくために区内の文化センターを持ち回りで「原爆と人間展」を開催しています。
  展示は、パネルのほかにビデオテープ・DVDによる上映。寄贈された広島の「原爆瓦」の現物資料もあります。
 2009年は、改装された江東区総合文化センターで9月5日から9日まで展示。430人が参観しました。アンケートには、「もう2度とこのような事は起こさないでほしい」(36歳・女)、「『核の傘』で守られるという考えがある。それが人類にどんな悲劇をもたらすかを考えると恐ろしい。核廃絶しかない」(74歳・男)などの感想が寄せられました。(森貞士)

パネルが展示されたついたてが並んでおり、それを見ている人たちがいる。様子を上から見下ろした写真。
区内の文化センターを持ち回りで展示
被爆し表面のガラス質が泡立ったようになっている瓦の破片。
原爆瓦の現物資料

豊島 非核宣言自治体の区と連携 市民団体との共同も深めながら

 豊友会は、原爆の問題と合わせて、地域の平和・人権の活動をしている団体とも協力して実相普及にとりくんでいます。とりわけ非核都市宣言をしている豊島区が主催するとりくみを重視しています。
 2009年は、5月3日を挟む憲法週間に豊島区総務課が主催して「平和と人権のパネル展」を開催。区の施設で、区の所有する原爆パネルを使い、広く区民に見てもらいました。
 市民団体とともに、7月には「原爆と人間展」を、10月には「平和のための豊島戦争展」を開催し、1000人以上の参観者がありました。(山田玲子)

豊島区の非核都市宣言などの掲示
非核宣言の区と協力して

墨田 下町の連帯で14年間 被爆者が作った原爆模型も

 墨田区では、墨田折鶴会や区職員の労働組合、平和の市民団体などでつくる実行委員会が主催し、区の後援を受けた「平和・原爆展」を毎年開催しています。
 2009年は14回めの「平和・原爆展」を開くことができました。原爆と人間展パネルの展示をはじめ、「佐々木禎子さんのコーナー」や「折り鶴コーナー」などを多彩に設け、幼稚園児からお年寄りまで幅広い方がたが、展示を見たあとに願いを込め鶴を折っていました。この折り鶴は、今夏の広島に代表が持参し、「原爆の子の像」に捧げる予定です。
 目玉は、広島に投下された原爆・リトルボーイの実物大模型。墨田区の被爆者、故・福地義直さんが原型を作ったもので、オバマ発言以後の関心もあって、注目を集めていました。(湊武)

ついたてや長机の上に資料が展示されている。
14年目の平和・原爆展
「リトルボーイ」原寸大模型が床に置かれている。
注目の原寸大模型

八王子 小中学校での証言に注力 子どもたちから元気もらう

 八王子では、小中学校への原爆体験の証言が広がっています。最初は、八六九会から校長会に「生徒たちに被爆者の証言を聞かせる機会をつくってください」とお願いしたのですが反応はいまひとつ。そこで役員が手分けして市内全域の小中学校を訪問することにしました。
 八王子市の面積は広く、小中学校は108校あります。この全校をほぼ1年かけて訪問し、校長先生らと面談しながら直接お願いしたところ、証言の依頼が来るようになりました。
 1学年4クラス140人という大きな学校、全校生徒が30人で1学年6人という過疎の学校もあります。
証言に行くと生徒たちはみな熱心に聞いてくれ、「2011年もお願いします」と頼まれるのが通例です。現在、1カ月に3~5回、学校での証言活動をおこなっています。(伊藤雅浩)

証言後、体育館で小学生たちとの記念写真。
この子たちを原爆被害に合わせないために語り継ぐ
黒板も使い、教室で証言する被爆者と、それを聞く子どもたち。
熱心に証言を聞く子どもたち

機会をとらえて屋外でも

 自治体のまつりや地域のイベントなどの際に、屋外で原爆展を開催する地区もけっこうあります。
写真は、世田谷同友会が地域のイベントでとりくんだ原爆写真展。

木の多い公園の開けた場所に大きい看板を立てて展示した、世田谷の原爆写真展の様子