東友会相談員養成研修会 広がった「原爆症認定」実例から学ぶ
2009年12月12日に東友会の2009年度第3回相談員養成研修会が東友会のある平和と労働センターで開かれ、被爆者と地区相談員、支援者、病院職員など106人が参加しました。テーマは、「大きく広がった『原爆症認定』を多くの被爆者が受けるために」。2008年12月の研修会に続く原爆症認定のテーマでしたが、東友会の村田未知子相談員が、厚生労働省が2009年6月に改定した「新しい審査の方針」の内容と、認定と却下の事例を紹介したスライドを上映しながら講演しました。
村田相談員は、厚労省が「新しい審査の方針」で「積極認定」にするとした7種類の疾患のなかで心筋梗塞、白内障、甲状腺機能低下症、慢性肝炎・肝硬変は、「放射線起因性が推認される」疾病としながらも、さらに「放射線起因性が認められる」という条件をつけて、認定の幅を大きく狭めている実態を紹介。心筋梗塞のバイパス手術を受けた被爆者が、申請から3年半も待たされて却下されたこと。この被爆者は長崎の2キロの地点で半身に大火傷をしたことを怒りを込めて紹介しました。さらに、「起因性」の条件がついていないガンなど悪性腫瘍は、2008年度に諮問された2656件のうち2486件、94%が認定されている一方で、「起因性」の条件がついた心筋梗塞と白内障は諮問された144件のうち38%しか認定していない数字データも紹介しました。
参加者には、2008年4月の審査基準緩和後に審査結果が届いた東友会が対応した173件の申請病名、被爆状況などを整理した一覧表が配られ、「具体的な事例がよくわかる」と好評でした。