東京大空襲訴訟 東京地裁が「請求棄却」の判決
「受忍」押しつけは次の戦争への道
一晩で10万人もの市民が焼き殺された1945年3月10日の東京大空襲。その犠牲者・遺族131人(平均年齢77歳)が、損害賠償を国に求めていた裁判で、東京地裁(鶴岡稔彦裁判長)は2009年12月14日、請求をすべて棄却する判決を言い渡しました。
判決は、「被害を受けた原告らの苦痛や労苦は、心情的には理解できる」といいながら、「戦争被害者のだれに、どのような救済を与えるかは、法律がないなかで裁判所が選別することはできない」というものでした。
原告らは、「同じ戦争被害者でも軍人・軍属には手厚い補償、原爆被爆者にも一定の保護が実施されている。空襲被害者に何の補償もないのは差別であり不当」「戦争犠牲への『受忍』押しつけは、次の戦争への道につながる」として、113人が控訴しました。
空襲被害では、大阪地裁でも、2008年12月から18人が損害賠償を求めて裁判を続けています。日本被団協は同日、「同じ戦争被害者として、国家補償を求めてともにたたかう」という声明を発表しました。