「肝機能障害は原爆の影響なし」厚労省医療分科会が結論

　厚生労働省の被爆者医療分科会は2006年12月18日、戸田剛太郎医師らの研究班による報告書を全面的に採用し、「B型肝炎、C型肝炎ともに原爆放射線との因果関係は科学的に否定される」との結論を確認しました。
　東（あずま）裁判の国側証人として戸田医師が述べた「致死量を超える放射線を浴びても肝臓は影響を受けない」との主張は、判決で退けられていました。
　この分科会を、横川嘉範会長をはじめ東友会から8人、東（あずま）裁判の原告・故東（あずま）数男（かずお）さんの妻・朝子さん、弁護士らが傍聴。記者会見で朝子さんは、「夫が苦しみながら起こした裁判が生かされなかった。悲しい」と発言。日本被団協の藤平（とうへい）典（のり）代表委員は、「はじめから『結論ありき』だった」と批判し、肝機能障害を原爆症と認定するよう要求しました。