原爆症認定求める集団訴訟いよいよ東京地裁でスタート
「被爆で大火傷」など証言へ 大法廷埋めつくす傍聴参加を
2003年7月28日、いよいよ東京地裁103号法廷で、原爆症認定集団訴訟の第1回口頭弁論が開かれます。加藤力男原告団長が長崎で大火傷をした被爆体験と戦後の苦しみを、広島で被爆した関口智恵子さんが家族すべてを失った体験と原告としての思いを意見陳述します。その後、高見澤昭治原告団長と竹内英一郎弁護士が訴訟の意義、目的などについて弁論します。
東友会と「原爆裁判の勝利をめざす東京の会」は、集団訴訟最初の裁判を、原爆被害を明らかにさせるとともに裁判勝利のための確実な第一歩とするために、多くの方がたに傍聴してほしいとよびかけています。
150人参加で「提訴のつどい」
2003年5月27日午後1時、17人の被爆者が東京地裁に原爆症の認定を求めて集団提訴をおこないました。提訴には、ガンや肝硬変という重病とたたかう身体をおして、13人の原告と入院中の原告に代わって妻が参加。高見澤昭治東京弁護団長など13人の弁護士と東友会の飯田マリ子副会長などに付き添われて訴状を提出したあと、弁護士会館で記者会見をおこないました。
原告団と弁護団はその後、参加者が待つ「原爆症認定集団訴訟の勝利をめざす東京のつどい」に移動。青年から手渡されたヒマワリの花を手に原告たちが会場に入場すると、150人の参加者から熱い拍手がわき上がりました。
原告を出迎えた東京地婦連の田中里子さんは「裁判によってもあらためて原爆被害の深刻さがわかった。全面的に支援したい」と、東友会の米田チヨノ副会長が「一昨日の総会で17人の原告を代表としてたたかうことを決議した」とあいさつ。
高見澤弁護団長が提訴と記者会見のようすを報告した後、加藤力男原告団長は「被爆から58年間つづく苦しみを国に認めさせたい。命ある限りたたかう」と発言。発言のために立ち上がったものの感動のため声を詰まらせた原告には会場から涙をぬぐいながらの激励の拍手が寄せられ、被爆当時の様子を描いた自作の絵をかかげて「あの被害を明らかにさせたい」と言う竹内勇さんと「みなさんのことを病院に行って夫に伝えます」とのべた大塚靖博さんの妻にも大きな拍手が贈られました。
最後に弁護団事務局次長の杉尾健太郎弁護士が「訴状」の内容を説明。参加者と原告の心が結ばれた感動的な集会となりました。