国連主導で平和の回復を 駅前行動でよびかけ
「人を殺すな」「核兵器使うな」「イラク戦争やめよ」
アメリカ、イギリス両国によるイラクへの武力攻撃が激しくなった2003年3月25日、日本被団協は、「イラク戦争反対」「核兵器つかうな」の緊急行動をJR渋谷駅前でおこないました。折からの冷たい雨をついて、東友会から27人、全体で50人が参加しました。日本被団協の
藤平典代表委員(東友会副会長)、田中煕巳事務局長、東友会の飯田マリ子副会長、山本英典事務局長ら日本被団協と東友会、千葉友愛会の被爆者32人と、東都生協、被爆者後援会、東京原水協など支援の人びと、さらに、被爆2世、東友会のウェブサイトをみて参加したという青年や、お母さんと小1の男の子の親子連れなど、多彩でした。
激しい雨が降るなか、傘やカッパで身体を守りながら、「広島・長崎の原爆被爆者は要求します」「核兵器使うな、力の政策反対」「人を殺すな、傷つけるな、戦争やめよ」「国連中心に平和の回復を」を訴えるビラを配り、代わる代わるハンドマイクを握り、通行人に「一緒に、声を上げて下さい」とよびかけました。
信号を待つ人の中に「そうだ」とうなずくようにして話し手を見ている人、雨に濡れたビラのシワをのばしながら読んでくださっている人をもいて、「心配している人がいる」、「同じ思いを持っている人がいるんだ」と、参加者は励まされました。
行動開始から30分。被爆者たちの靴には雨水がしみこみ、ズボンの裾が濡れています。寒そうにしている人もいます。「短く切り上げたら」という提案ありましたが、「イラクでは爆弾の雨が降っているんだ。何だ。雨くらい」と言われて「被爆者の本気をみた」という人もいました。最高齢90歳から最年少57歳の被爆者は、最後まで元気いっぱい訴えていました。
「インターネットで見てかけつけた」という若いお母さんと男の子は、ハンドマイクで「戦争はイヤだ」「早くやめて」ときっぱり。参加者に暖かいほほえみが広がっていました。
この日のもようは、NHK、日本テレビ、TBSテレビ、テレビ朝日、朝日新聞、中国新聞、長崎新聞、時事通信が取材・報道しました。
その後、参加者は二手に分かれて米英両大使館に向かいました。アメリカ大使館は厳重警戒中でしたが、日本被団協と東友会の抗議文を読み上げ、これを大使館員に手渡しました。イギリス大使館も受け取りました。
米英両国に対する東友会の抗議文の要旨
イラクへの空爆の下で、恐怖におののきながら、身を潜めている女性や子どもたちがいることに、耐え難い悲しみと貴国への怒りを覚えています。
私たちはいま、原爆放射線で奪われた健康を「原爆症」と認定させる裁判を起こそうとしています。
戦争は、そのとき人を殺傷するだけでなく、半世紀を超えても後障害がでている事実を知ってください。
戦争を直ちにやめ、国連を中心に、平和を一日も早く回復してください。核兵器被害と戦争被害の実相を国民に知らせてください。