被爆者相談所および法人事務所
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学校で「被爆体験講話会」 葛飾区が2003年度から実施

「被爆を風化させないため」 年間10回「講話」はビデオで編集

 2003(平成15)年度から、葛飾区が新規事業として、「被爆体験講話会」を区内の小中学校で実施することになりました。
 2003年3月4日には、小学校49、中学校24の校長が集まる校長会で、総務課長名の依頼書が配られ、早くも5校から「講話」の依頼が届いています。
 総務課長の依頼書には、「戦後57年が経過し、ともすれば風化しかねない戦争・被爆の記憶を多くの若い世代に伝えるため」「児童生徒が平和を学ぶ機会として、総合学習の時間および課外授業などでの被爆体験講話を実施していただけますよう特段のご配慮をお願い」するとのべています。
 この事業を実施するための「事業概要」では、講師謝礼(報償費)を区が補助し、講話会の模様をビデオで撮影し、被爆体験証言集として編集するとしています。予算は、年間10回で10万円を予定し、好評だったら次年度で増額を予定する意向です。
 葛飾区では、また「非核平和都市宣言20周年記念事業」として、「広島被爆現物資料」を含めた「平和資料展」を2003年7月25日から8月10日まで区の「郷土と天文の博物館」で、7月9日から8月8日までは「広島・長崎原爆パネル展」を区役所2階の区民ホールで開くことにしています。会場には折鶴コーナーも設置されます。
 区が、「被爆体験講話会」を企画した例は東京では初めてで、東友会常任理事会で報告されると「すごい」「葛飾の経験を全都に」という声が上がっていました。

「非核平和都市宣言区 葛飾区」と書かれた面が大きく写っている、縦に長い直方体の宣言塔。別の面には非核三原則が書かれている。(他の2面は写っていないためわからない)
区庁舎前に建てられている葛飾区の非核平和都市宣言塔

被爆体験講話事業目的 (要旨)

 戦後生まれの世代が区民の70%を超える現在、この国における戦争、そして世界の唯一の被爆国でありながらもその歴史さえも風化しつつあります。また、国在住被爆世代の高齢化により、今後、その貴重な体験を語り継いでいくことが困難になっていくものと考えられます。
 そのため、小中学校で葛友会による講話を実施し、多くの子どもたちに原爆の悲惨さ、愚かさ、そして平和の尊さについて考えてもらう機会を提供するものです。

これまでも多彩な平和事業 区長が毎年広島・長崎に

 葛飾・葛友会(友谷幾会長)は、これまでも葛飾区(青木勇区長)の協力をえて、さまざまな非核平和関連行事をおこなってきました。区は、区民に非核平和を訴えるため、毎年夏、青戸平和公園で「非核平和祈念のつどい」を開催し、7月上旬から8月上旬には、区内2カ所で、広島・長崎の平和祈念資料館から被爆資料を借りて「原爆資料展」を開き、広島・長崎の平和記念式典には区長や区議会代表や区職員が参加し、両市にある「葛飾の木」への献水式などを続けています。
 ただ、葛友会は、被爆体験の聞き書き語り残しについては、毎年のように活動方針には掲げながらも、思うようにすすまなかった経過があります。それがビデオつきで記録されることになったわけで、会では「講話会」を成功させようと張り切っています。

友谷幾会長の話

 すばらしい事業を実施してくださることになって、嬉しいというより責任を感じます。区民のみなさんの期待に添えるよう、全力を挙げたいと思います。