アメリカの「核兵器戦略見直し」に抗議 上野、八王子で行動
地下核実験を再開するな 小型核兵器の開発やめよ
「被爆者行動旬間」に呼応して
アメリカ国防総省が、2002年1月8日に議会に提出した機密文書「核兵器戦略体制の見直し計画」に、世界的な批判が集中しています。計画は、「新型の小型核兵器を開発する」、「そのために地下核兵器実験を再開する」としたうえに、当面の核兵器使用対象として、ロシア、中国、北朝鮮、イラン、イラク、リビア、シリアの7カ国を名指ししており、各国から強い反発が出ています。
ベトナム戦争中(1972年4月)に、当時のニクソン米大統領が「原爆を使いたい」と発言し、キッシンジャー大統領補佐官の反対で中止したやり取りを記録したテ-プもことし3月2日に公表され、アメリカは本気で核使用を考えていることが明らかになりました。
日本被団協は、1月23日の代表理事会で、この「見直し計画」に抗議し中止を求める「全国被爆者いっせい行動旬間」を、3月1日から10日までの間に決定しました。東友会はこのよびかけにこたえて、3月6日、上野公園と八王子・長崎屋前でつごう36人が、抗議行動をおこないました。
ビラ、ハガキでよびかけ 原水協、教員、大学生らと共同
上野
上野公園口の行動には、大田、葛飾などの被爆者18人と、原水協など9団体16人が参加しました。
東友会は「広島・長崎の被爆者は要求する 地下核実験再開するな 小型核兵器の開発やめよ」と書かれた横幕を掲げ、抗議を呼びかけるビラを配り、ブッシュ大統領と小泉首相にたいし抗議・要請ハガキを出そうと訴えました。
宣伝車のマイクで、被爆者、原水協、教員組合、平和委員会の代表などがリレートーク。長崎で6歳のとき被爆した葛飾区の富田芳子さんは、「あのとき死んだ人たちの分まで、平和のために、できる限リのことをしたい。足を止めて、原爆のパネルを見てください。署名やハガキに協力してください」と、19歳のとき長崎で被爆した大田区の米田チヨノさんは、原爆で大やけどをしたうえに骨折で曲がったままの腕を差し上げながら、「こんな曲がった腕でも残っていれば、ものをつかむことはできます。でも、長崎では、何万人もの人びとが、命を奪われたのです」と語りました。上野の行動では被爆者5人が訴えました。
八王子
八王子の行動は、長崎屋前で、東友会の18人と、原水協、3・1ビキニデーに参加した都立大学生など、41人が参加しました。ここでも5人の被爆者がマイクを持って訴え、原水協は、核兵器廃絶を訴えるアピール署名をよびかけました。被爆者の訴えを聞いた通行人は、次つぎに足を止めて、署名やハガキに協力しました。署名は、「いつもの倍以上」(行動参加者の感想)集まりました。
2カ所での行動で、東友会が用意した1500枚のビラはすべて配布。ブッシュ大統領と小泉首相への要請ハガキは、それぞれ158枚が活用されました。