制度の周知と簡素化はかり福祉事業の活用に力を
東友会が4年間、「広島・長崎なみにしてほしい」と会をあげて要請して実現した被爆者援護法福祉事業が2001年4月から実施されましたが、都衛生局の資料で、2001年9月末現在で、予算のわずか8%しか活用されていないことがわかりました。この事業は、介護保険の福祉系サービスのうちのデイサービス、ショートステイと、特別養護老人ホームの利用料(一割)と低所得者のホームヘルプの利用料、老人福祉の措置制度である養護老人ホームの利用料を、国と都が負担するという制度です。
東京都がこのために用意した予算は6,643万円余ですが、9月までに被爆者に振り込まれた額は総額で543万円にとどまっています。これは、東京都が全被爆者に制度の説明書を郵送したにもかかわらず、介護を受けている被爆者が内容を理解できない実態があること、申請手続きがたいへんに複雑で、家族でも申請方法がわからないためです。
このため東友会と地区の会は対象になる被爆者がわかりしだい連絡しています。このなかで、介護保険料と利用料の区別ができない被爆者も多いこと、サービスの費用を払っていることすらわからない人もいて、制度があることも理解できず、自分で申請することはもちろん、施設の職員に申請の協力をお願いすることもできない状態にある人がいることがわかりました。
この事態を改善するため東友会は、都衛生局とともに厚生労働省に介護保険の医療系サービスと同じように、電算に組み込んでほしいと要請をつづけています。