都議会議員を対象に被爆証言 初開催で8会派47人が参加
「原爆被害をくり返させないで」「被爆の実相を伝え残してほしい」 会派超え感動的な集まりに
2025年10月9日、超党派の都議会議員が参加する「被爆の実相を聞く会」が開かれました。都議を対象にした被爆証言としては初の開催です。
この日は、2025年度第3回都議会定例会の最終日。本会議後に都議会内の会議室で開かれ、8会派の都議47人と各会派の政調会などの職員、保健医療局の二宮博文課長と服部記代子課長代理、東友会の参加者など約100人が参加。会場は満席となりました。
被爆者の危機感が発端
今回の被爆証言は、東友会が2025年9月16日に都議会全会派に呼びかけたことから始まりました。被爆者が高齢化し、ノーベル平和賞で与えられた被爆者の使命でもある被爆の実相普及が年々限られていくことに東友会は不安を感じていること、そのために会派を超えて都議のみなさんにも被爆の実相を聞いてほしい、と要請したものです。
都議の反応は好意的
要請を受けた都議会自民党の峯尾始事務局長が「私たちが呼びかけましょう」と快諾。各会派に参加を呼びかけました。これを受けて立憲民主党の西沢けいた議員、共産党都議団のとや英津子議員も協力を申し出ました。
当日は、自民党の柴﨑幹男議員と平田みつよし議員が司会と進行担当。はじめに東友会の家島昌志代表理事が、会の開催への尽力に感謝し、ノーベル平和賞受賞の意味と受賞後に東友会が数千人の人びとに実相普及をおこなったことにふれて挨拶しました。
2人の証言に涙する人も
最初の証言者は、広島駅で1歳8カ月のときに被爆した綿平敬三さん(練馬区在住)。父は爆死し、母の胎内にいた弟は3歳で急死。その後は仕事の都合で別居した母と離れて親戚に預けられ、「弁当を持たせてもらえなかった」など、少年時代の生活や苦悩について証言しました。
母の形見とも言える、人生で一度だけもらった母からの手紙を紹介し、「父を母を弟を返してほしいと、どんなに願っても、それは無理なことです。私は会議の前などに黙祷するとき、私たちのような家族をつくらせないために、決してこのような被害をくり返させないために、核兵器のない世界の実現を願います」と証言を結びました。
続いて村田未知子相談員が「被爆者相談員の証言」と題して、40年以上にわたる相談事業から被爆者の死と生について証言。原爆の業火に焼かれる母を残して逃げた娘、2人の幼児を次々に亡くし遺体を焼いた母、差別のために結婚をあきらめ孤独死した女性などの記録を、その被爆者自身の「ことば」を紡いで紹介しました。
村田相談員は最後に、「核兵器が人間に何をしたか、被爆者の『からだ』『こころ』『くらし』の被害を知ってください。都議の立場でみなさんがその事実を伝え、残してくださることを願います」と訴えました。
証言を聞く都議の中には、涙を拭う人も多く、感動的な集まりとなりました。
東京都議会での被爆証言に参加した都議会議員のみなさん(敬称略・順不同)
東京都議会での被爆証言に、貴重な時間を割いて各会派から多くの都議会議員にご参加をいただきました。ここにご芳名を掲載し、御礼に代えさせていただきます。
東京都議会自由民主党
吉住はるお、山﨑一輝、柴崎幹男、平田みつよし、伊藤しょうこう、星大輔、田村利光、本橋たくみ、渋谷のぶゆき
都民ファーストの会東京都議団
山口せいや、寺前ももこ
東京都議会立憲民主党・ミライ会議?生活者ネットワーク・無所属の会
三雲崇正、中山寛進、ひがしゆき、西崎つばさ、おけやまさと、風間ゆたか、中田たかし、西沢けいた、関口健太郎、藤井とものり、細貝悠、笹岡ゆうこ、中村ひろし、東友美、竹井ようこ、桐山ひとみ、岩佐ゆきひろ、岩永やす代
都議会公明党
小林健二
日本共産党東京都議会議員団
大山とも子、福手ゆう子、藤田りょうこ、里吉ゆみ、原田あきら、米倉春奈、せいの恵子、竹内愛、とや英津子、斉藤まりこ、清水とし子、尾崎あや子、田中とも子、原のり子
国民民主党東京都議団
天沼ひろし
地域政党自由を守る会
さんのヘあや
無所属
漢人あきこ