被爆者相談所および法人事務所
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被爆80年シンポジウム 核兵器廃絶と国家補償 被爆者運動の2大要求を中心に

 2025年9月28日、文京区の平和と労働センター・ホールで「被爆80年シンポジウム」が開かれ、72人が参加しました。
 被爆80年事業のひとつで東友会とおりづるの子(東京被爆二世・三世の会)が協働で開催したもの。テーマは「原爆被爆者・日本被団協の要求と運動 ノーベル平和賞について学ぶ」。2人の講師が講演しました。
 おりづるの子の中村尚子運営委員を司会に、黙祷で始まり、最初に家島昌志東友会代表が主催者挨拶を兼ねて今回のシンポジウムの目的について説明しました。

被爆体験の継承と核兵器廃絶

 ひとつめの講演は、東友会理事でもある濱住治郎日本被団協事務局長が「ノーベル平和賞について学ぶ ―― 私たちに与えられた使命」と題し、スライドを使いながら報告しました。
 訪問したオスロの様子にふれながら、ノーベル委員会のフリードネス委員長の「核兵器で文明が存続できると信じるのは浅はか」「被爆者たちの体験談に耳を傾けよう」の言葉を紹介。「核兵器のない世界へむけ、核兵器の非人道性の発信が必要」と強調し、被爆体験・被爆の実相の語り継ぎを途切れさせないことの重要性を述べました。

被爆者運動と国家補償要求

 ふたつめの講演は、元日本被団協事務局員で、ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会事務局の栗原淑江さんが、「原爆被爆者・日本被団協の要求と運動 戦後80年わたしたちの課題」のテーマで報告。戦後の被爆者運動の特徴について語りました。
 とりわけ、被爆者が「原爆被害への国家補償」要求を掲げたことの意義を指摘。原爆被害に対する国の「受忍」政策に、被爆者が「原爆被害者の基本要求」をもって正面からたたかってきた歴史的経過を紹介しながら、被爆者たちがめざしてきた「原爆と戦争の体験に根ざした非核・非戦の日本と世界」を、「わたしたちすべての人間の責任」として継承していくことが、今を生きる私たちの責任であるとまとめました。

 参加者からは、「若い人たちに被爆の実相を伝えつづけて欲しいという言葉が胸に突き刺さった」、「原爆被害者の基本要求に感動した」、「被爆者運動の歴史が系統的に理解できた」などの感想が寄せられました。

会場前方、天井から下げられた大きいスクリーンに図と説明が投影されている。(写真では文字が小さく判読不可)並べられた長机に着席した参加者がそれを見ながら話を聞いている。
スライドを使った講演