第2種特例受診者(長崎被爆体験者)の医療費助成が拡大
「第2種健康診断受診者証」を持つ人(第2種特例受診者あるいは長崎被爆体験者と呼ばれる)に対して、2024年12月1日から被爆者と同等の医療費助成が始まります。
「東友」2023年4月号(462号)の「相談のひろば」で第2種特例受診者の医療費助成が広がったことを紹介しましたが(注:「相談のひろば」記事のウェブページは、掲載後1年以上経過のため削除済み)、今回はさらに大きく広がりました。2024年8月9日に長崎の被爆者団体が、長崎の黒い雨訴訟の判決などから当時の岸田首相に要請したことが実ったものです。
第2種特例受診者とは
原爆投下当時、長崎の爆心地から半径12キロメートル以内の国が定めた地域に住んでいた人のうち、被爆者健康手帳や第1種特例受診者の対象者以外の人が申請できるもので、長崎だけが対象です。
現状では被爆者健康手帳への切り替えはできません。当時、実母がこの地域にいて、原爆投下後から1946(昭和21)年6月3日までに生まれた人(胎児だった人)は対象から除外されています。
医療費助成の対象になる人
被爆者と同等の医療費助成の対象になる人は、被爆者の「健康管理手当」の対象となっている11種類の障害をともなう病気にかかっている人です。被爆前からかかっている精神疾患、遺伝性・先天性の病気、神経まで届かない軽い虫歯の医療費は対象外です。
医療費助成の申請先
東京都内に在住者で「第二種健康診断受診者証」(以下、「受診者証」)の交付を受けていない人は、まず、東京都に申請することが必要です。東京都の「受診者証」を受けたあと、長崎市に申請して「第二種健康診断特例地域医療受給者証」の交付を受けることになります。
すでに東京都の「受診者証」を交付されている人には、今月末に東京都からお知らせが届きます。
医療費助成は払い戻し
「医療受給者証」での医療費助成は、病院などの窓口で一度立て替えてから長崎市に申請することが必要です。被爆者は被爆者手帳を病院などの窓口に呈示すれば、医療費の自己負担分は支払いの必要はありませんが、「一度立て替えて長崎市に申請する」という手順が必要になります。
東友会は、高齢化している特例受診者が、被爆者と同様に窓口に「医療受給者証」を出せば、自己負担分の支払いが助成されるよう、国に要望したいと考えています。