被爆者相談所および法人事務所
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日本被団協全国代表者会議 「老いても新たなたたかいに挑む」の気概

 2023年10月18、19の両日、港区の東京グランドホテルで2023(令和5)年度の日本被団協全国代表者会議が開催され、全国から被爆者・被爆二世ら約70人が参加しました。
 初日は、関東ブロックの木村邦子代表理事の司会で開会。開会挨拶で田中重光代表委員は、ウクライナ戦争やイスラエル紛争を憂えるとともに、国民に背を向けて米国にのみ顔を向け、核兵器禁止条約を無視して軍備増強に走る岸田政権を非難。「被爆者は老いたが、新たなたたかいに挑もう」との檄を飛ばしました。
 その後、日本原水協の安井正和事務局長から100万円の寄金が贈呈され、国民の力で政府に核兵器禁止条約の署名・批准を迫ろうとの連帯の挨拶がありました。
 今回はとくに、昨今の揺れ動く国際情勢を学ぶため、明治大学の山田寿則氏を講師に、「核兵器禁止条約と締約国会議」のテーマで学習会がおこなわれました。要点は、条約は(1)様ざまな核兵器にかかわる行動を一律に規制しているもの、(2)すべての国に開かれたもので、非核地帯を世界に広げるもの、(3)核軍縮を義務付ける法的義務を有するもの、(4)核廃絶から被害者救済義務までを完結させるものであり、条約に署名しているが批准していない国にも法的義務が発生する、という分かりやすい解説でした。
 休憩後、四国の松浦秀人代表理事と長崎の柿田冨美枝全国理事を議長に選出して議事に入りました。まず、東京の家島昌志代表理事から、2023年8月にウィーンで開かれた「NPT再検討会議第1回準備会議」の参加報告。木戸季市事務局長が翌日の会議についての趣旨説明をし、1日目の会議は終了しました。
 翌19日は、北海道から九州まで全国の被爆者組織からそれぞれの実態報告がおこなわれました。東京からは湊武全国理事が、高齢化した会員を抱える地区の組織実態について報告。全国も同じような組織の窮状を訴える報告が続きました。
 つづいて、日本被団協の濱住治郎事務局次長から、他団体との共同による被爆者の拠点づくりについての報告とアドバイス、会計担当の東勝廣氏による中間決算報告、和田征子事務局次長による「証言活動のしおり」の改訂版発行報告がされました。
 最後に、「第2回締約国会議の成功を願って」というアピール文が読み上げられ、参加者の承認を得て閉会となりました。

「全国都道府県代表者会議 日本原水爆被害者団体協議会」と横書きされた看板が会場前方の天井下げられた会場。演台に立つ発言者の話を、並べられた机に着席し、手元の資料に目を落とすなどしながら参加者たちが聴いている。
全国の被爆者が議論