被団協・原告団・弁護団の3者と厚労省との事務折衝 前進は一歩もなし
2022年12月の厚生労働大臣との定期協議のなかで積み残しになった問題について、日本被団協、原爆症認定訴訟原告団、弁護団の3者と厚生労働省健康局原爆被爆者援護対策室との事務折衝が2023年4月7日に開かれました。
交渉には、日本被団協から木戸季市事務局長と児玉三智子・濱住治郎両事務局次長、家島昌志代表理事が、原告団から綿平敬三団長と村田未知子事務局員、弁護団からは宮原哲朗集団訴訟事務局長(東友会理事)と中川重徳ノーモア訴訟事務局長(東友会会員)が参加しました。
厚労省からは岡野和薫室長ら7人が参加。室長から、(1)被爆者のがん検診に甲状腺や前立腺の検査を加えないのは「がん検診で死亡率が低下するという効果が認められていない」、(2)介護が必要な被爆者への泊まり込み健診については「重度の障害がある人が健康診断の対象になると家族は考えるか」、(3)家族介護手当の増額には「物価指数にあわせて上げている。大幅な値上げは困難」、(4)被爆二世の施策については「被爆二世本人は被爆していない。放射線の影響を示す調査結果もないので難しい」などと回答しました。
木戸事務局長は「被爆者が生きていてよかった、といえるよう応えてもらえないか」と発言。各参加者が被爆者の実態や相談事例を示しながら要望の根拠を示しましたが、大臣協議同様に一歩の前進もありませんでした。
3者側は、文書で出している要望には文書で回答してほしいと依頼。その回答が2023年4月11日付けで日本被団協に届きましたが、室長が口頭で述べた内容と同じでした。3者は、医師などの助言も受けて検討をすすめ、次の事務折衝に備えることにしています。