被爆証言を広げるための学習会 幼年・胎内被爆者が証言
被爆の記憶のない被爆者の証言から学ぶ
東友会は2022年7月2日、「被爆証言を学び広げるための学習会 被爆の記憶のない被爆者の証言から学ぶ」を開催しました。コロナ禍のため長らく延期されていた学習会でしたが、都内各地から39人の被爆者・被爆二世・支援者・学生が参加。熱心に聞き入っていました。
公の場では初証言
証言をしたのは4人の被爆者。木村一茂(青梅市在。1歳8カ月被爆)、熊田育郎(立川市在。7カ月被爆)、杉野信子(世田谷区在。1歳6カ月被爆)、柚木聚(豊島区在。胎内被爆)のみなさんで、2020年4月に開催予定だったニューヨークでのNPT再検討会議へむけた日本被団協の要請団に参加し、米国で証言活動をするはずだった人たちです。新型コロナ感染拡大のためNPT再検討会議も東友会での証言を聞く会の計画も延期になり、公の場での証言は今回初めてとなりました。
4人はいずれも被爆時、母親の胎内あるいは1歳から2歳のため「あの日・あの時」の記憶はありません。その後知らされた、炎に焼かれ「逃げて!」と叫ぶ母親を見殺しにして逃げざるをえなかった事実、生き延びながらも次々と死んでいった兄弟・家族の最期、その後も差別や偏見を恐れ隠し続けてきた被爆の事実、被爆した影響が自分や子どもたちに現れるのではないかという不安を抱えながらの人生――限られた時間の中で、4人は被爆者の思いを切々と語りました。
聞く側も感動
4人の証言を聞いた参加者からは、「短い証言でしたが、本人・家族らの気持ち・苦悩がわかり、感動と証言へのお礼を伝えたい気持ちでいっぱいになりました」「被爆時の記憶がなくても、周囲からの状況説明などを吸収することで充分な被爆証言ができることがわかりました」「被爆について一度も両親から聞いたことがありませんでした。今日のお話を聞いてとても身近に感じて感動しました」など、証言を受け止めたという思いや、自分も証言をしていく決意できたという感想が多数寄せられました。