被爆者相談所および法人事務所
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【訃報】 佐野博敏さん

 2022年6月30日、誤嚥による窒息のため死去。享年94歳。広島被爆。
 2013年度から7年間、三鷹・三友会から協議会理事に登録され、2015年度から2017年度まで法人監事、2016年度から協議会会計監事、2018年から顧問を歴任しました。
 著名な放射化学の専門家であり、各地で専門家としての被爆証言を続けていました。本紙「東友」に2015年1月から2016年12月まで24回「知っておきたい放射線の豆知識」を連載。素人にもわかりやすい解説と毎回好評でした。東日本大震災の後の東友会の学習会でも、福島原子力発電所から拡散した放射線の被害とその影響について自作の映像を使って講演。説明を聞いてよかったという声が多数寄せられました。
 1945年8月7日、学徒動員先から、母親の探索のため未明に広島内に入市。17歳という多感な時期に被爆の惨状を目の当たりにし、極限状態に感覚が麻痺し無感動になったこと、それでも深く心に残ったのは、子どもを抱き力尽きた多くの母と子の遺体だったと証言しています。
 上京した大学の研究室で第五福竜丸で被曝した久保山愛吉さんの内臓分析にもあたりました。そのとき漏れ出た異臭が9年前のヒロシマの記憶を蘇らせたと話していました。

佐野博敏さん

佐野さんによる「東友」連載

 2015年1月から2016年12月まで連載した記事です。