【訃報】 協議会会計監事 奥田豊治さん
2022年3月4日、腎不全のため死去。享年91歳。広島被爆。1930(昭和5)年、山口県下関市生まれ。中学4年のとき陸軍予科士官学校の第一次試験に合格。1945年8月9日未明、第二次試験のため広島に着きました。荒れ果てた市の様子に呆然。軍中央部に行くが、すぐ帰れといわれて引き返す途中、シャツの焼けただれた少年を見ました。焼けたシャツのように見えたのは、実は皮膚の垂れ下がった状態だったのでした。いたるところに死体の山また山。すさまじい死臭の中で現在の通称「原爆ドーム」の無残な姿も見ました。
1953(昭和28)年、仕事のため上京。その後、仕事で長崎へ行ったとき、被爆者の孫の世代である高校生が核廃絶運動をしている姿に心を動かされました。その後、東友会の存在を知りました。
被爆者運動に参加したのは80歳を過ぎてからでしたが、「核兵器の被害は絶対にくり返させてはならない」と、高齢者とは思えない若々しさとバイタリティーで被爆の証言活動に積極的に参加。
東友会では2011年度から11年間、一般社団法人東友会会員・東京都原爆被害者協議会理事。2017年度から2021年度まで法人監事、2017年度から協議会会計監事を歴任。財政委員会に所属し、ロータリークラブへの働きかけなどをすすめ、財政確保にも尽力。江戸川親江会の会長としても活躍されていました。明るく、ダンディに被爆者をリードする姿に、深い信頼が寄せられていました。