医療特別手当の「健康状況届」 2014年以降「要医療性」で非認定が増加
東京都が、2021年度医療特別手当の更新にあたる被爆者に「健康状況届」の用紙を郵送します。2021年度「健康状況届」の対象になる東京の被爆者は78人。書類は2022年3月末までに届けるとのことです。東友会が原爆症認定申請のお手伝いをしたのは、このうちの67人(86%)。これらの被爆者の「健康状況届」の手続きは東友会がお手伝いします。
「健康状況届」とは、原爆症認定を申請した年から3年ごと(白内障は申請した翌年)に、認定された病気の「要医療性」を証明するために提出する書類です。この審査で「要医療性」がないと判断されると、月14万円程の医療特別手当が月5万円程の特別手当に切り替えになります。
東京で医療特別手当を受けている被爆者はほぼ300人程度ですから、今回の更新は24%になります。最近10年間の「健康状況届」の認定状況を表に整理しました。
年度 | 2012年度 | 2013年度 | 2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
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医療特別手当受給者数 | 338人 | 382人 | 383人 | 373人 | 356人 | 327人 | 295人 | 307人 | 308人 | 311人 |
更新対象者数 | 128人 | 88人 | 138人 | 122人 | 99人 | 134人 | 95人 | 73人 | 124人 | 106人 |
受給者のうち更新対象者の割合 | 37.9% | 23.0% | 36.0% | 32.7% | 27.8% | 41.0% | 32.2% | 23.8% | 40.3% | 34.1% |
更新対象者のうち東友会対応者数 | 106人 | 64人 | 108人 | 101人 | 86人 | 100人 | 83人 | 56人 | 99人 | 92人 |
更新対象者のうち東友会対応者の割合 | 82.8% | 72.7% | 78.3% | 82.8% | 86.9% | 74.6% | 87.4% | 76.7% | 79.8% | 86.8% |
認定者数(医療特別手当継続) | 125人 | 86人 | 106人 | 99人 | 74人 | 105人 | 79人 | 61人 | 101人 | 66人 |
更新対象者のうち認定者の割合 | 97.7% | 97.7% | 76.8% | 81.1% | 74.7% | 78.4% | 83.2% | 83.6% | 81.5% | 62.3% |
非認定者数(特別手当切替) | 3人 | 2人 | 32人 | 23人 | 25人 | 29人 | 14人 | 11人 | 13人 | 22人 |
更新対象者のうち非認定者の割合 | 2.3% | 2.3% | 23.2% | 18.9% | 25.3% | 21.6% | 14.7% | 15.1% | 10.5% | 20.8% |
- 【注】
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- 医療特別手当受給者数は、審査した年度の前年度末数。
- 2014年の審査から厚生労働省が「要医療性」の基準を改定したため「非認定」が10倍程度に。
2014年度の審査から、厚生労働省ががんや白血病など悪性新生物で医療特別手当を受けている場合の要医療性を認める期間を手術や治療が終わって5年(乳がん、前立腺がんなどは10年)としたため、「非認定」となる事例が10倍に増えました。
2020年度はコロナ禍のため診断書の提出を1年延期しても良いとされ「非認定」は例年の半分程度になりました。しかし、2021年度の対象者はその分が増え、「非認定」となる事例は元に戻っています。
胃がんを手術して5年以上過ぎていても胸焼けやダンピングの症状がある、大腸がんの手術後に便通に異常があるなど後遺症があって薬が処方されている場合などは「要医療性」が認められることが多いので、東友会に相談してください。