被爆者相談所および法人事務所
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100歳の手帳申請を受理 2年越しの資料集めの成果

 100歳になる岩下運雄さんの被爆者手帳申請が、2021年7月15日に東京都に受理されました。岩下さんは2年前に娘の力を借りて東京都に申請しようとしましたが、必要とされる「被爆事実を証明できる書類」がなく、申請を受け付けてもらえませんでした。その後、東京都から東友会に連絡があり、東友会では「東友」436号(2021年2月号)で「証人さがし」を掲載するなどして支援してきました。
 申請受理は、本人の「手帳の交付を受けることで被爆の事実を認めさせたい」という強い意志と、家族の粘り強い資料集めの成果でした。唯一の手がかりは、岩下さんの被爆手記が掲載されている1971(昭和46)年発刊の『広島原爆戦災誌』。ところが同誌には岩下さんの名前が本名の「運雄」ではなく「一夫」となっており、これを同一人物だとする決め手がないまま行き詰まっていました。家族は、同誌の発行元や岩下さんの当時の職場へ協力を依頼。50年前の資料を探してもらい、手記の書き手と岩下さんが同一人物であるという資料を集めました。
 東京都も、これらが被爆者手帳の交付を決める上で重要な資料と受け止め、申請書の受理を決めました。提出には立会人として東友会の的早克真相談員が同席しました。

透明なアクリルの仕切りが立てられた机に、対面して着席する都職員と岩下さんの家族。都職員は、示された書類を見ながら話を聞いている。席のわきには、申請の様子を撮影するテレビカメラを持つ人が写りこんでいる。
申請書を提出する岩下さんの家族