被爆者相談所および法人事務所
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原爆症認定申請に厚労省からの照会が増加
理不尽な内容に怒りの声も

 原爆症認定申請に対する厚生労働省からの「照会」が大幅に増え、審査に長期間かかる事例が増えています。照会内容が理不尽だと怒る申請者もいます。その主な事例を紹介します。

肺がんの一種では? 2021年4月に申請したNさん

 厚労省から「認定申請書(申請者記載)における申請病名〈肺がん〉と意見書(医師作成)に記載された疾病名〈非小細胞肺癌〉が異なるので一致させてください」との照会が5月末に届きました。
 「非小細胞肺癌は肺がんの一種ではないのか」とNさんの家族。これまでの事例では、「肺腺がん」での申請に対し、厚労省発行の「認定書」には「肺がん」と記載されたものもあります。
 厚労省の担当に電話をすると、申請書と意見書の病名が一致しないと審査できないとの一点張りでした。

手帳に書いてあるのに? 2021年4月に申請したSさん

 照会のあった内容は、「認定申請書において、『(中略)母は私を背負って入市したようです』と入市したような記載をしておりますが、この入市の事実について確認できる過去の資料(当時記載した日記、過去に書かれた被爆体験など)を提出願います」というもの。Sさんの被爆者手帳には「第2号長崎市 8月9日爆心地付近入市」と明記されてます。
 Sさんは、「母も姉も亡くなった。当時1歳6カ月だった私に日記は書けないし被爆体験も書けない。なぜ今このような無理を求めるのか」と困惑しています。

がんの証明があるのに? 2021年6月に申請したFさん

 Fさんは、内視鏡で切除した検体に「印環細胞癌」「低分化型腺癌」を認めると明記された「病理組織検査報告書」をすでに提出しています。
 しかし、「5月28日に腹腔鏡下胃全摘術実施予定と伺っておりますが、同手術について実施記録のご提出」「手術検体の病理組織報告書もご提出」との照会が7月に届きました。
 がんの確定診断があり、治療状況も「意見書」に明記されているのに、さらに照会をするようなことは、「新しい審査の方針」による審査が開始された2008年頃にはなかったことです。