行政記録以外の証拠で被爆二世の申請認める
東友会相談所が証拠探しの勘所を助言
本紙3月号(437号)で紹介した相談事例のうち、亡くなった父親の被爆事実が確認できず、東京都の健康診断受診票と医療費助成が認められなかった事例が解決しました。
このケースは、申請を受けた東京都が、被爆者手帳を持っていたはずの父親が最後に住民票を置いていた県に確認したところ「手帳発行の記録がない」との回答があったことから、申請が認められなかったものです。
相談を受けた東友会は、父親が亡くなるまで住み続けていた家に今も兄弟が住んでいると聞き、父親の被爆事実を確認できるものを探すよう助言。申請者の兄弟が家の細部まで探したところ、祖父(父親の父)の残したメモが見つかりました。
ここには、召集時から被爆して凄惨な姿で帰ってきた時の様子、発病、入院・闘病し死亡するまでの記録があり、その中に1963(昭和38)年に「特別被爆者健康手帳」の交付を受けたこととその番号が書かれていました。
ほかにも、1960年代に原水爆禁止日本協議会がおこなった被爆者調査への回答の写しや県の被爆者の会に加入して活動していた記録などが見つかりました。
これらを東京都に提出したところ、都は父親が被爆者であったことを認めて申請者を被爆二世だと確認し、健康診断受診票の発行と医療費助成を認定しました。