被爆者相談所および法人事務所
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被爆74年目の夏 各地で原爆展・平和展など多彩に

 2019年8月号で紹介した記事に続き、被爆74年目の夏、地域で原爆展・平和展に取り組んだ地区の報告を紹介します。どの地区でも、猛暑や台風の影響があったなか、高齢の被爆者が奮闘しました。

証言もっと聞きたい 武蔵野けやき会

 武蔵野市の非核都市宣言平和事業である写真パネル展が、8月1日から8日まで武蔵野市役所入口のプレイスギャラリーで、9日から16日まで武蔵野市役所ロビーで開かれ、武蔵野けやき会は後援団体として参加しました。おもな展示内容は、広島・長崎の原爆に関する写真パネルと資料、武蔵野市の空襲に関する資料です。高齢者センターの20人ほどが参観し、「話には聞いていたが大変だったのですね」と対話があったり、「ぜひ証言を聞きたい」という方もおられました。(木岡紀久代)

ついたてに取り付けた「原爆と人間展」パネルの前での集合写真。
会場の一角で(武蔵野)

解説員として連日 三鷹・三友会

 三鷹市が主催する「ヒロシマ・ナガサキ原爆写真パネル展」が、8月1日から31日までの1カ月間、市役所1階市民ひろばで開催。三鷹・三友会は、展示パネルの提供や企画・運営に協力しました。
 参観者は一日平均約30人。長丁場でしたが、三友会の役員を中心に、がんばって毎日交代で解説と被爆証言をおこないました。参観者は老若男女さまざまでしたが、とくに女性が熱心に見学し、被爆証言も時間をかけて聞き、涙を流す人がたくさんいました。ヒバクシャ国際署名にも進んで協力してくれる人が多かったです。(大岩孝平)

ついたてに取り付けたパネルが並ぶ。その前で説明する被爆者と聞く参観者。
パネルの内容を説明(三鷹)

ぜひ展示の継続を 八王子・八六九会

 八王子市主催の第34回平和展は、8月2日から14日の期間に2会場で開催され、八六九会はパネル展示、被爆証言などで参加しました。原爆写真展は2019年から内容を刷新。「放射線被曝」や「黒い雨のメカニズム」など、豊富な説明付きのものを新たに展示しました。ほかにも、八王子空襲、小中学生による平和の絵、中高生の平和研修レポートなどのパネルが展示されました。
 被爆証言は、2日は伊藤雅浩さんが長崎被爆の話、5日は広中弘道さんが広島被爆の話をしました。両日とも大勢の参加者が熱心に聞き入っていました。参観者からは、「被爆の記憶を風化させないため続けてほしい」などの声がいくつも寄せられました。(高倉勝弘)

壁にパネルが展示された会場。並べられた椅子を埋める参加者が、被爆証言を聞いている。
証言に聞き入る人たち(八王子)

若い人が積極的に 足立・足友会

 足友会は8月5日から15日まで、足立区役所1階アトリウムで、原爆パネル展を開きました。後援は、足立区と足立区教育委員会です。展示内容は「原爆と人間展」パネル、原爆の実物大模型、長崎の高校生平和大使の活動のパネル、新聞が伝える核情勢の記事の切り抜きなど。区の総務課が会場設営などで全面的に協力していただきました。
 参観者は約1000人。とくに目立ったのは若い人の姿です。子どもを連れた若い夫婦などが興味を示してくれました。とりわけ、会期の終わりごろ2人の若い女性が手伝いたいと申し出られ、チラシ配りや搬出作業に協力してくれました。アンケートは2018年の倍、212枚が寄せられました。(中村安子)

板に紙を貼ってつくられた、原寸大の原爆の形の看板が置いてある。そのとなりに受け付けのような机が並べられ、奥にはパネルが掲示されたついたてが並んでいる。
目立った原寸大模型(足立)<

子ども向けに証言 町田・町友会

 8月5日から8月9日まで、町田市生涯学習センターで「子どもも学べる平和イベント」が開催され、町友会も参加しました。
 6日は神戸美和子さんが広島での被爆体験を証言し、約100人が参加しました。9日は松山正義さんが長崎での被爆体験を語り、9歳で被爆したその日の状況、被爆体験を通じて後世に伝えたいと思ったことを、熱く話しました。
 長崎大学客員研究員・桐谷多恵子さんの講演「戦後長崎における『被爆』と『復興』」もあり、生活者の立場からの「復興」は考えさせられるものでした。(神戸美和子)

署名への反応大きく 墨田折鶴会

 墨田折鶴会は、東京空襲被害者のみなさんと一緒に、8月14日から16日の3日間、墨田区役所1階会議室で「第24回すみだ平和・原爆写真展」を開催しました。
 「原爆と人間展」パネルを中心に、被爆当時の写真や絵画、広島型原爆・リトルボーイの原寸大模型を置き、丸木夫妻の「原爆の図」から「虹」を展示。被爆証言とDVDの上映が好評で、会場は混雑の毎日でした。
 2019年は台風の影響で来場者478人と少なかったものの、ヒバクシャ国際署名には217人がサイン。感想文は80人から寄せられました。今回、J:COMのインタビュー取材を受け、15日の午後6時のニュースで、5分間放映されました。(湊武)

絵や「原爆と人間展」パネルが掲示された会場に椅子が並べられている。椅子は被爆証言を聞く参観者でほぼ埋められている。
「原爆の図」の前で証言(墨田)

被爆も被曝も 稲城・稲友会

 8月17日から25日まで、稲友会と稲城平和を語り継ぐ三世代の会の共催、市教育委員会後援による「平和展」が、稲城市立中央図書館併設の展示コーナーで開かれ、約300人が来場しました。
 テーマは「核のない世界に向かって ――子どもたちに青い空を――」。2019年は「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・チェルノブイリ・フクシマ」の体験者の声を集めたメイン展示と、核兵器禁止条約批准の現状などをパネルで紹介しました。
 24日のつどいでは、フクシマからの避難者の話、峠三吉の構成詩を市民が群読。小学4年生が友だちと一緒に328羽のツルを折って期間中に届けてくれました。(濱住治郎)

原爆投下当時の地図など展示物が壁に掲示されている会場。数人の参観者が説明を聞いている。
地図を指さし説明(稲城)

地域と戦争の関係も 大田・大友会

 大田・大友会は、8月24日から26日まで大田区区民プラザで開かれた「平和のための戦争展」を、区内の平和・市民団体と共催。3日間で530人が来場しました。大友会が展示した「原爆と人間展」パネルの内容を熱心にメモする人もいました。
 大田区と戦争の関連についての展示では、今は競艇場になっている平和島に、終戦時には600人を超える俘虜を収容していたこと、戦後は占領軍が東條英機ら戦犯を収容したことなどを紹介していました。最終日には、作家の早乙女勝元さんの講演会がありました。(中川夏代)

広い会場は吊り下げ式のついたてで仕切られている。パネルがついたてに掲示されており、資料が置かれた机もある。パネルを見る参観者の姿がある。
メモや写真を撮る人も(大田)

自作パネル518枚 江戸川親江会

 8月31日から9月1日、江戸川親江会も参加する実行委員会主催の「戦争展 in 江戸川 2019」がタワーホール船堀の展示室で開かれ1100人が参加しました。
 3カ所に分けた展示スペースの2つを親江会が担当。広島・長崎の原爆の実物大見本や被害の実態などを高比良毅事務局長作成のパネル518枚で展示し、好評でした。
 講演スペースでは、親江会の山本宏会長(広島カープ・山本浩二元監督の実兄)と貫泰夫さんが「広島が生んだ日本一」と題して広島カープの活動などを紹介。広島女学院の後輩が同学院卒業の被爆者セツコ・サーローさんの証言を朗読し、映画「夏服の少女」の上映もありました。(奥田豊治)

広い会場一杯に並べられた椅子を埋める参加者たち。
熱気に満ちた講演スペース(江戸川)

協力団体と一緒に 立川友の会

 「2019平和をめざす戦争展in立川」が同実行委員会主催で、9月6日から8日まで立川女性総合センター(アイム)の1階ギャラリーと上階学習室で開かれ、立川友の会も参加協力して被爆パネルを展示。会場には戦争に関する展示物のほか、市民からの書・絵画・絵手紙などの作品も並びました。
 紙芝居・映画の上演などもあり、3日間で約200人の入場者がありました。(熊田育郎)

天井近くから縦に3枚連ねて4列に掲示されたパネルを見る人。
時間をかけて見学する人(立川)