ノーモア・ヒバクシャ広島訴訟判決を受け厚労省前で抗議行動
原告先頭に被爆者、支援者ら座り込み 「原爆症ではなく高齢化のためと切り捨てた」
原爆症認定ノーモア・ヒバクシャ訴訟の広島地裁での全員敗訴を受けて、2017年12月6日、厚生労働省に向けた行動がおこなわれました。寒さの中、広島から上京した原告と弁護団など12人を中心に、東友会と日本被団協、首都圏の被爆者と原告、弁護団、長崎から67人が参加。「ノーモア・ヒバクシャ訴訟の全面解決を」「原爆被害の実態にみあった原爆症認定制度を」と書かれた横断幕をかかげ、毛布やカイロを身につけ、厚労省前で2時間にわたる座り込みが敢行され、代表が厚労省の担当者に面談して要請。記者会見もおこなわれました。
座り込みでは、2015年に亡くなった母から訴訟を引き継いだ広島原告団の田部正孝さんが、「16歳の女学生のとき1.2キロで被爆した母の身体には無数のケロイドと傷が残り、いくつもの病気で生涯苦しんでいた。手術や入退院をくりかえし、脳梗塞で半身不随になり、原爆症を申請した甲状腺機能低下症への、地裁の判決は、母を含め原告全員を原爆症ではなく高齢化のためと切り捨てた」「核兵器廃絶や世界平和への広島・長崎の願いこそ世界の良心だと確信をもって闘い続けていきたい」と述べ、広島弁護団の佐々木猛也団長は、「今回の判決は完敗だったが、巻き返しをはからなければならない」と述べました。
厚労省への申し入れ
広島と長崎からの参加者全員と日本被団協の木戸季市事務局長、全国原告団の山本英典団長などは、弁護団とともに厚労省内に入り、清水彰被爆者援護対策室室長補佐らに、首相が交わした「確認書」に明記された「厚生労働大臣・被団協・原告団・弁護団は、定期協議の場を設け、今後、訴訟の場で争う必要のないよう、解決を図る」の趣旨にそった制度の改善をと求めました。しかし、厚労省側は、従来通りの「聞き置く」「上司に伝える」の回答をくり返しました。