核兵器禁止条約をぜひに 被爆国の首都でがんばる被爆者たち
国連で交渉会議が進められている核兵器禁止条約の進展状況を見て、「被爆後、ずっと願ってきた核兵器廃絶への具体的な動きが見えてきた」「私たちの思いが、ついに世界の人びとを動かした」と、被爆者はこれまでにない期待を抱いています。しかし、日本政府が交渉会議に参加していません。世論で後押ししてこそ、真に効力を持つ条約になると、東京の被爆者は、核兵器廃絶を願う人びとといっしょに「核兵器なくせ」の訴えを広げています。
世論を高める署名運動
その中心的な活動として、「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」(通称・ヒバクシャ国際署名)の取り組みがあります。
2016年11月に発足した「ヒバクシャ国際署名をすすめる東京連絡会」には、東友会をはじめ東京原水協、東京民医連、新婦人都本部、東都生協など16団体が参加して運動をすすめています。6月からは東京都生協連の平和活動担当者連絡会も「東京連絡会」に正式に参加し、2017年を重点にした署名運動を広げることになりました。
自治体首長の賛同も
2017年2月に世田谷区で地域の連絡会が発足し、区長をはじめ区内在住の著名人の賛同を得た署名用紙10万枚を独自につくり、運動を広げています。7月には、大田区でも被爆者と著名人がよびかけて、地域連絡会が発足する運びになりました。
自治体の首長に署名をお願いする運動も被爆者を中心に広がってきました。新宿区、葛飾区と杉並区の首長の署名には、区内の被爆者の会が積極的に働きかけました。新宿区では区役所の総務課が署名用紙のコーナーをつくり、配付。葛飾区では、区会議員全員に署名を訴えています。
毎月街頭で署名行動
広島・長崎に原爆が投下された6日と9日を期して、日本原水協が上野駅や新宿駅などで毎月おこなっている「6・9行動」には、東友会役員と江東区、大田区、調布市の被爆者が原水協の人びとに支えられながら街頭に立ち、被爆体験を訴え「ヒバクシャ国際署名」への協力をよびかけています。世田谷区、大田区、中野区、多摩市などでも被爆者の街頭での行動が続いています。
パレードで大胆にアピール
6月17日の「おりづるパレード」には、「折り鶴を届けてください」という新聞「東友」のよびかけを受けて、4000羽もの折り鶴が届き、「私はパレードには参加できないから」と高齢被爆者が折り鶴を届けにきました。パレードの前日には、被爆者と家族のボランティアグループ「猫の手会」の女性たちが集まって、折り鶴を繋ぎました。
被爆者の思いを証言
核兵器による被爆者の苦しみと廃絶への願いを伝える運動も広げられています。日本被団協事務局次長でもある濱住治郎執行理事は、世田谷区や大田区などで核兵器禁止条約を願う被爆者の思いとヒバクシャ国際署名の意義を訴えています。全国と都内の生活協同組合や医学生などには、東友会相談員である村田未知子執行理事が35年間の相談事例からつくったスライドで被爆者の人生を伝え、署名運動への参加を呼びかけ、各地で感動を呼んでいます。