日本被団協が広島で被爆70年集会 被爆者の願い・思いを次代に
若者の感動的な発言が続々
「核兵器のない世界のため―被爆者と市民のつどい」が2015年8月5日、広島市中区の文化交流会館で開かれました。被爆70年の節目の事業として、被爆者の願いを若い人びとに引き継ごうと日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が主催したもので、被爆者、高校生・大学生、平和運動団体など国内外から330人を超える参加者で、会場はいっぱいになりました。
つどいは俳優の斉藤とも子さんの司会で進められ、被爆者の証言として三宅信雄さん、西山すすむさんが、広島と長崎の原爆の惨状と核廃絶の取り組みを話しました。
被団協の田中煕巳事務局長が70年間の被爆者の生と死のたたかいを報告。これからの活動を提案しました。
これを受けて、核兵器廃絶の署名活動に取り組む福山の高校生、被爆地に学ぶ広島の大学生、青年団活動に係わる沖縄の青年、京都在住で被爆者訴訟を担当する弁護士ら若い担い手の4人が、被爆者の願いを引き継ぐ決意を力強く表明しました。
福山の高校生・橋本瀬奈さんは、曾祖父が8月6日に旧県庁でB29の監視中に被爆し、その日のうちに亡くなったことを最近知り、「(次代に)同じ思いをさせない」と涙ながらに誓い、大きな感動を呼びました。会場からも、愛媛大学の学生たちから被爆者の体験を継承していきたいと心強い発言がありました。
つどいには、国際的かつ多彩な人びとが参加。パン・ギムン国連事務総長からの連帯のメッセージが寄せられ、被爆者をノーベル平和賞に推薦している国際平和ビューローのコリン・アーチャー事務局長が挨拶しました。子どもたちのマリンバ演奏、広島・呉出身の歌手、財満光子さんや、広島うたごえ合唱団の歌がつどいを盛り上げました。
最後に、「今こそ核兵器のない世界を」と題して、被爆者が命ある限り市民社会と連携して訴え続け、その実現に力をそそぐことを表明した「被爆70年広島・長崎宣言」を朗読してつどいを閉じました。