被爆者相談所および法人事務所
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ノーモア・ヒバクシャ訴訟 証人尋問などつづく 公正判断の署名も提出

東京第1次訴訟 証人尋問で聞間ききま医師が証言
「相当程度の残留放射線を浴びた可能性」などを示唆

 2014年7月8日、東京地裁の大法廷で、ノーモア・ヒバクシャ東京第1次訴訟の証人尋問がおこなわれ、浜松市などで被爆者診療を長年つづけている聞間ききまはじめ医師が証言台に立ちました。
 聞間ききま医師は、被爆者が受けた放射線のリスクは年を経ても消えないこと、個々の原告の疾病についても、初期放射線量にかかわらず被爆後の行動で相当程度の残留放射線を浴びた可能性があること、疾病に放射線の影響は否定できないなどと証言しました。
 被告・国側は、放影研の調査やUNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)やICRP(国際放射線防護委員会)の見解や論文を持ち出して、残留放射線の影響を否定しようとしました。また、大学院を卒業したのか、物理学を専攻したことがあるか、英語の論文を発表したことがあるかなど、証人の信用を陥れるような質問をつづけました。
 10時30分から16時30分におよぶ長時間の証人尋問を、支援者を含めた54人が、熱心に傍聴しました。

被告側席の左後方から法廷を見たスケッチ。画面左手奥に原告側、右手奥に裁判官の席がある。
7月8日、東京地裁での証人尋問の場面(スケッチ:石飛公也)

公正判断署名1万人分を提出 支援の輪をさらに広げよう

 6月17日、1万人分の「裁判所の公正な判断を要請する署名」を、42人の被爆者と支援者が東京地裁に提出しました。提出は民事第2部と第38部に5000人分ずつ。この署名は、2014年1月から東友会が全国の被爆者と支援団体に呼びかけてきたもの。
 原告が親戚や知り合いに頼んだ署名、被爆者の会の集まりで、原爆展で、原水協や生協のみなさんから届いた署名や全国の被団協から届いた署名の住所は、北海道から九州まで。東友会役員が団体を訪ねてお願いした署名もありました。
 署名を提出した人びとは「命がけで訴える原告の声を生かしてください」「私は広島で被爆しました。被爆の実態を見てください」などと、書記官に訴えていました。
 その後、東京土建などからの署名が続々と届き、7月15日の集計では2万5000人分に広がっています。政府宛の全国署名も始まりました。合わせてご協力をお願いします。

署名された署名用紙。束ねた高さが20センチほどにもなっている束2つ
全国から寄せられた署名の一部。多くの人たちの善意に感謝しつつ、裁判所に提出しています。

一貫性のない「起因性」判断 東京第2次訴訟 口頭弁論で国側の矛盾突く

 7月2日午前、東京地裁で、ノーモア・ヒバクシャ東京第2次訴訟の口頭弁論がおこなわれ、原告弁護団を代表して、吉田悌一郎弁護士が訴訟の趣旨を陳述しました。
 第2次訴訟の原告は11人。いずれも「原爆放射線によって病気が起きたものではない」と却下され、裁判に至ったものです。ところが2013年12月、認定基準が再改定されると、厚労省は5人について「放射線起因性がある」といって原爆症と認定しました。
 吉田弁護士は、このような姿勢は「被爆者を愚弄するもの」とのべ、裁判所に「厚労省のゆがんだ認定行政を正して」と要請しました。

ノーモア・ヒバクシャ訴訟支援ネットがニュースを発行

 ノーモア・ヒバクシャ訴訟の判決の被爆者側の勝訴率は89%という圧倒的な勝利が続いています。この内容を多くの人びとに知らせたいと全国支援ネットワーク事務局は、ニュースを発行することにしました。
 第1号は自民党ヒアリングと国側の意見書の問題点、東京の裁判、署名提出が掲載されています。ご希望の方は東友会まで。

ノーモア・ヒバクシャ訴訟ニュース1号の第1面
ノーモア・ヒバクシャ訴訟ニュース1号