「東京在住原爆被爆者の実態調査」まとまる
「病気の原因は原爆」9割、「子や孫の将来に不安」7割など
自由記載欄には被爆者の思いが切々と……
東友会が結成55周年記念事業としておこなった「東京在住原爆被爆者の実態調査」がまとまり、2014年6月25日、記者会見を開いて「報告書」が発表されました。報告書はA4判144ページ。
記者会見には、調査票の解析にあたった八木良広立教大学講師、根本雅也一橋大学講師、深谷直弘法政大学研究員の3氏と、東友会の会長、副会長、事務局長、主任相談員が参加しました。
この調査は、2013年1月号の「東友」に同封して東京在住被爆者4805人に郵送、1795人から回答を得たものです。
調査で明らかになった主なことは次の諸点です。(1)東京在住被爆者は約6割が広島、約4割が長崎、(2)持ち家率は7割を超えているが、老人ホームなど施設に入っている人が2.5%いる、(3)独り暮らしが22%、(4)収入は年200万円以下が50%、300万円以下だと75%に及ぶこと、(5)被爆者の7割が自分の病気と子や孫の将来に不安を感じている、(6)心臓疾患、がん・白血病が多く、一般の東京都民の発症率の3倍近くになっている、(7)病気の原因が原爆だと考えている人が9割に達する、(8)原爆症認定を求める人は5割いるが、がんや白血病に冒されている人でも認定を求めない人が14%もいました。
自由記載欄には、被爆後67年の健康、医療、生活、差別などについての苦しみ、平和への希求、核兵器廃絶への願いが切々とつづられており、解析した人は何度も涙したといっています。
東友会では、この調査結果を分析して、都政に反映させるよう要望していきます。