特定秘密保護法案 東友会が反対声明
国家の外交、安全保障に関する情報を秘密にすることを前提に、何が秘密かも曖昧なまま厳しい罰則を盛り込んだ「特定秘密保護法案」の国会審議が大詰めを迎えた2013年12月5日、東友会はこの法案に反対する声明を発表しました。残念ながら6日の参院本会議で採択・成立しましたが、反対声明の要旨を紹介します。
原爆投下後、アメリカ政府はいち早く「核の機密の流出を防ぐ」として原爆の威力のみを宣伝し、被害については秘密にした。このため、原爆投下が大戦を終了させ、何十万人ものアメリカ兵と日本の民間人の命が救われたという「八月の神話」を生むことになった。
ヒロシマ・ナガサキの被爆者の多くは、母親、子ども、学生、年寄りの民間人であった。軍事機密を理由に情報は遮断され、親戚、知人を頼って生きていくほかなかった。敗戦に伴い進駐した米軍は、プレスコードを発令して、原爆被害の事実を知らせないように報道統制をおこなった。
防衛や軍事の機密を守ることが優先され、原爆投下後12年間、被爆者は放置された。この間、多くの被爆者が亡くなったが、国はいまだ死没者への償いをしていない。
かの戦争の中で非人道的な原爆を体験した被爆者は、「知る権利」を侵害する国家安全保障会議の設置および特定秘密保護法の制定に反対であることを声明する。