被爆者相談所および法人事務所
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東友会結成55周年記念式典と祝賀会 次代へバトンタッチ誓う

原爆許すまじ、人間をかえせのこころで歩んだ55年 ともに祝う

 東友会は、結成55周年事業として、2013年11月16日に記念式典・祝賀会を開き、この日にあわせて、記念誌と調査報告書を発行しました。
 被爆者と都民134人が参加した記念式典では、黙祷の後「きょう11月16日は東友会結成の日です。年老いても核兵器廃絶と原爆被害に国の償いを求める運動を使命としてすすめたい」と大岩孝平代表理事があいさつ。
 つぎに東友会の55年間をスライドにして上映しました。スライドは、東友会結成前1954年のビキニ環礁での水爆被爆からはじまった原水爆禁止の署名運動から2013年11月の相談研修会まで60年間の映像を使い、各種の行動から相談事業まで東友会で活躍した多数の被爆者の姿を紹介して好評。つづいて、東友会を支えてきた7団体と10年以上勤続した事務局員などに感謝状と記念品が贈呈され、代表してノーモア・ヒバクシャ東京訴訟医師団の向山新医師があいさつしました。

壇上に立った人の声に合わせ、それぞれの席で立ちグラスを高く掲げる参加者たち
亡くなった先人たちを思いつつ、55年間の歩みをともに支えてきたすべての人びとへの感謝と慰労を込めた温かい式典・祝賀会となりました。写真は祝賀会での乾杯の場面。
壇上で感謝状を手渡す様子
功労者に感謝状贈呈

なごやかに祝賀会

 式典の後に開かれた祝賀会は、黒坂黒太郎さんと矢口周美さんの被爆樹でつくったコカリナの演奏によるミニコンサートで開会。心に染みこむ演奏と歌声に、被爆二世の山田みどりさんが家族の被爆体験と深い心の傷を綴ったメッセージを朗読し感動をよびました。
 つづいて『記念誌』を編集した鍋島聖民さんと「調査報告」をまとめた八木良広さん、根本雅也さん、深谷直弘さんなどがあいさつ。原爆症認定集団訴訟の全国弁護団連絡会事務局長として活躍している宮原哲朗弁護士による乾杯のあと、支援者のあいさつや地区の会の紹介などが続きました。
 祝賀会は、ノーモア・ヒバクシャ東京訴訟弁護団団長の内藤雅義弁護士の元気で楽しいパフォーマンスがあり、「原爆を許すまじ」を全員で合唱。山田玲子執行理事が閉会あいさつで「死没者の思いを胸に抱いて、原爆被害をくり返さないよう語り続けましょう」と締めくくりました。
 終わっても名残り惜しそうに話し込む参加者の姿がみられ、運動の絆をたしかめられた会となりました。

立ってコカリナを演奏する人、椅子に座って板状ハープを演奏する人、立ってマイクを使い歌う人
感動的だったミニ・コンサート
受付する人たちと参加者たち
受付などの裏方もみんなで分担

『東友会のあゆみ55年』 記念誌が完成

 東友会は結成55周年を記念して記念誌『被爆者・都民とともに 東友会のあゆみ55年』(A5判274ページ)を発行しました。東友会が刊行した記念誌は、25周年から7冊目になりました。
 東友会の活動は、これまでの記念誌の時系列的叙述ではなく、被爆者運動の重点を14に区分して山本英典執行理事が紹介。今回はじめて相談事業と事務局の活動を村田未知子執行理事が在職した31年間について執筆しました。
 今回の記念誌の特徴は、25年ぶりに地区の会の活動が掲載されていることです。今回の編集委員会のよびかけには29の地区の会が参加し、被爆者のいちばん身近な会活動の苦労、感謝、決意が感動的に紹介されました。
 記念誌のお申し込みは、東友会に。頒価1200円(送料込み)です。

「東友会のあゆみ55年」表紙

被爆者実態調査の「第一次報告」を発行

 結成55周年の日に発行した「東京在住被爆者実態調査第一次報告書」(A4判32ページ)は、2013年1月に東友会が実施した被爆者と被爆二世の実態調査の最初の報告書です。報告書では、回答した被爆者の7割が原爆後の障害に今でも不安を持っていること、65歳以上の都民に比べ、ガン・白血病、心臓、血液の疾患、脳血管障害にかかっている人が多いことなどがわかりました。
 この調査統計は、被爆者の自由記載部分を掲載して第二次報告とし、その後、被爆二世調査の解析をはじめることにしています。

「東京都在住原爆被爆者実態調査第一次報告書」表紙