被爆者相談所および法人事務所
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年末見舞金を贈るつどい 訪問することの大切さを再確認

 2012年も、年の瀬の寒風をついて東京原水協から東京に住む302人の被爆者に年末見舞金が届けられます。48回目となった東京原水協と東友会が共催する「被爆者に年末見舞金を贈るつどい」は2012年12月8日に開かれ、都内36地区から85人が参加しました。
 つどいでは最初に東京原水協の石村和弘事務局長が年末見舞金を集めている街頭などでの募金運動を紹介。世田谷原水協と東村山原水協から、年末見舞いにかかわる報告がありました。
 世田谷原水協の橋本博さんは、同行した被爆者の会の役員が、寝たきりの被爆者に介護手当が受けられることを説明すると「あなた方はサンタクロースだ」とたいへんに感謝された訪問活動などについて報告。東村山原水協の渡辺寿賀代さんは、1965年にこの運動がはじまったとき、一人で街頭に立って被爆者募金を訴えて逮捕されかかり、仲間を広げたエピソードを紹介し、会場を沸かせました。
 東友会からは村田未知子相談員が、30年間相談所で見てきた被爆者と家族10人の姿を報告。後遺症への不安から健康診断を拒み続け53歳で肺ガンのため急逝した被爆者、サラ金に追われる息子のために被爆者手帳まで取り上げられた被爆者や暖をとっていた電熱器のために焼死した被爆者を励ましていた被爆者の会と原水協の人びとの姿を紹介。原水協の参加者に「被爆者のともだちを持ってください」と訴えかけました。
 その後、見舞金が東京原水協の都丸哲也代表理事から東友会の山本英典業務執行理事に手渡され、訪問のための打合せがおこなわれました。

広い部屋、並べられた机に着席した参加者たち。
都内各地から集まった被爆者地区の会と地域原水協のみなさん
壇上で握手する都丸哲也さんと山本英典さん。山本さんがもう一方の手で見舞金を持っている。
見舞金の贈呈

【解説】 年末見舞金のべ1万6624人に 累計3055万円

 「つどい」では、48年間続いた見舞金を受けた人数と金額について東友会から報告しました(下表参照)。
 日本原水協の資料によれば、1965年に東京の被爆者103人に東京原水協が見舞金を届けたことが始まり。東京原水協代表理事の柴田桂馬さんが1991年に調べた時点では、27年間に7457人の東京の被爆者に1200万円余が届けられていました。
 東友会の記録を調べた結果、2012年見舞金を受ける302人を加えると、見舞金を受けた被爆者数は48年間で1万6624人、見舞金の総額は3055万円になっていたことがわかりました。
 さらに、近年、対象者が減っている原因は、高齢化のため被爆者数が減っていることと、被爆者の会の役員も高齢になり、見舞金を届ける訪問活動ができなくなっているとの報告もありました。

【資料】年末見舞金の対象人数と金額の推移
対象人数 見舞金配布額
1965年から1991年累計 7,457人 12,216,000円
1992年から2002年累計 5,167人 10,334,000円
最近10年間 2003 476人 952,000円
2004 440人 880,000円
2005 414人 828,000円
2006 479人 958,000円
2007 421人 842,000円
2008 397人 794,000円
2009 376人 752,000円
2010 347人 694,000円
2011 348人 696,000円
2012 302人 604,000円
総合計 16,624人 30,550,000円