東京から広島へ 2012年平和行進がスタート
被爆者が生きているうちに核廃絶と償いを 沿道の人びとと心をつないでいく行進
2012年5月6日、「2012年原水爆禁止国民平和大行進」がスタートしました。江東区・夢の島の第五福竜丸展示館前で開かれた出発集会には約900人が参加。若者たちの歌や踊りで盛り上がるなかで始まりました。
集会では、第五福竜丸平和協会の川崎昭一郎代表理事があいさつ。つづいてウィーンで開かれているNPT(核不拡散条約)再検討会議準備会に参加している代表からのメッセージが読み上げられ、「夢の島からヒロシマ・ナガサキへ」と題してリレートークがおこなわれました。
日本被団協を代表して山本英典日本被団協事務局次長(東友会副会長)が、江東区の被爆者8人と江戸川区、町田市の被爆者たちと並んであいさつ。「被爆者はいま、被爆者援護法に魂を入れる運動をすすめています。核兵器廃絶の課題では、究極的廃絶としか言わない政府を追い詰めて被爆者が生きているうちにと改めさせたい。被爆者対策では国の責任でと曖昧にしている姿勢を国家補償に改めさせる。被爆者は高齢化し、病弱化しているが、みなさんの励ましを受けて死ぬまで核のない世界をめざしてがんばります」と述べ、大きな拍手が寄せられました。
銀座では被爆者が先頭に
平和大行進は、途中激しい雨に打たれながらも銀座3丁目へ。そこには東友会の被爆者15人が待ちうけていて合流。行進全体の先頭を東友会の旗をかかげて行進しました。飯田マリ子会長は、宣伝カーに乗ってマイクでアピール。「核兵器の全面禁止を求めて歩きましょう」「原爆も原発もない世界をめざしましょう」と力強い声がビル街に響きました。銀座通りではおおぜいの買い物客などから励ましの拍手と手振りを受け、最終的に1000人を超える人たちが港区役所前まで歩きました。
翌7日は、大田・大友会の3人が東友会を代表して平和行進に参加。夕方、川崎市役所前で神奈川の被爆者にバトンタッチしました。
行進者は口々に「反響がいいね」と。車やバスの中から、高層マンションのベランダや信号待ちをしながら行進に手を振る人が例年以上に多く、市民との共感を感じられた平和行進でした。