厚労省 原爆症認定制度「検討会」 司法と行政の判断の違いを議論
第8回原爆症認定制度のあり方検討会は2012年1月24日午後、厚労省省議室で開催され、東友会からは飯田マリ子会長ほか8人が傍聴しました。冒頭、森亘座長が健康上の理由から座長を辞任、神野直彦副座長が座長に、長瀧重信委員が副座長となるとの報告がありました。
前回の発言のまとめと司法判断と乖離する行政の認定基準についての資料を事務局が説明。両者の溝について議論に入りました。各委員からは、「行政は科学的知見を重視し、司法は個別事情を勘案するという対立図式でミスリードされない考え方が必要」との意見。「司法判断を受けて行政判断も修正されてきたのを評価すべき」という意見。「放射線起因性の押し問答では結論は出ないので科学的ではないが『原爆起因性』という基準にしては?」など、被爆者の救済という立場も勘案していろいろな意見が出されましたが、日本被団協事務局長の田中煕巳委員は、「司法判断であれだけ行政判断の間違いを指摘されながら、厚労省はこれを受け入れてどう改めようとしているのか全く分からない」と鋭く指摘しました。
次回は、日本被団協が1月の全国代表者会議で採択した「提言」が提出される予定で、解決策を考える段階での議論がいよいよ本格化すると思われます。