防衛大臣が「原爆しょうがない」 被爆者は許さない!
「しかたない」から「受忍せよ」? 被爆者の苦しみは原爆のせいです!
久間章生防衛大臣が2007年6月30日、「我が国の防衛について」と題する講演のなかで原爆投下にふれ、「原爆投下はしょうがなかった」と発言したことから、東友会はじめ被爆者は談話、声明で激しく抗議、マスコミも大々的に責任を追及したため、久間大臣は7月3日、ついに辞職しました。
東友会は日本被団協とともに7月2日、衆院第2議員会館で「久間防衛大臣の発言に抗議する緊急院内集会」を開きました。
集会には、東京、神奈川、千葉、埼玉、岐阜の被爆者、平和・市民団体、評論家など130人が参加。
東友会の飯田マリ子会長はじめ被爆者は、原爆被害がどんなに残酷無惨であったかを語り、こんな無惨な残虐兵器を使ったことを「しょうがなかった」ということは、将来にも核兵器の使用を容認することになると厳しく糾弾しました。
各政党からは、菅直人民主党代表代行、市田忠義共産党書記局長、福島瑞穂社民党党首、亀井久興国民新党幹事長ら30人の議員と、多数の秘書が参加し、久間大臣の罷免を要求し、任命権者である安倍総理の責任を追及しました。
久間防衛大臣は、3日午後、辞任しました。しかし辞任理由は、言い方がまずかったことと、参院議員選挙にさしさわりがあるからというだけで、被爆者への謝罪も、原爆投下への反省も全くないものでした。
米特使も原爆正当化を発言 被爆者はもっと語ろう
久間発言が波紋を呼ぶなか、アメリカのロバート・ジョゼフ核不拡散担当特使(前国務次官)は、2007年7月3日におこなった記者会見で、米軍が広島、長崎へ原爆を投下したことにふれ、原爆投下で第2次世界大戦の終結が早まり、「さらに何百万人もの日本人の命を奪うところだった戦争を終結させることができたというのは、ほとんどの歴史家が同意するところだ」と正当化しました。
安倍首相は、ジョゼフ発言について「原爆投下は許すことができない。この気持ちに代わりはない」としながら、ジョゼフ特使に抗議をすることはしないと言明しました。
原爆投下をめぐっては、アメリカ政府は一貫して正当化発言をくり返しており、日本の国民のなかにも、政界にも久間前防衛大臣のように、これを信じている人がいます。
このため東友会は、8月の合宿研修会で、あらためて原爆投下の違法性を学習し、原爆使用が「しょうがない」ではすませない問題であることを、体験を持つ被爆者が積極的に語り広げていくよう、いっそう力をつけることにしています。