アメリカ遊説報告 エノラ・ゲイの機体にこそ「過ちはくり返しません」を
東友会常任理事 東大和・大和会 河野次男
2004年8月3日から12日まで、日本被団協の被爆者アメリカ遊説団に、東友会から参加しました。遊説団は、河野次男(東京)、木戸季市(岐阜)、小峰秀孝(長崎)、原田秀一(埼玉)の4人。3日に日本からワシントンへ旅立ちました。
ワシントンのダレス空港には、受け入れ元のジョン・スタインベック氏、エレン・トーマス女史、アメリカ在住の宮崎さゆりさんが出迎えてくれました。
翌4日、スミソニアン別館のB29 エノラ・ゲイを見学。記者会見で「エノラ・ゲイは格好良く美しい。でも原爆を投下された下から見ると悪魔の飛行機だ」と発言。私は広島の平和公園の慰霊碑に刻まれた「安らかに眠ってください 過ちは繰返しませぬから」の言葉を、この機体にこそ刻み込みたいと思いました。
5日から2班に分かれて行動。私は木戸さんと一緒にワシントンで証言をすることになりました。ルーズベルト・メモリアル前の芝生での集会では、広島被爆の同時刻に約60人が黙祷を捧げ、証言をおこない、「原爆を許すまじ」を歌いました。最後はみな輪になって手をつなぎ、平和への誓いを新たにしました。
6日朝から、ラジオの生放送のため放送局入り。原爆被害の証言をおこないました。この放送の反響は大きく、その後の集会で「ラジオを聞いた」という、たくさんの人と出会いました。
7日はセントステファン教会で証言集会。被爆体験を話した後、エノラ・ゲイの機体に「…過ちは繰返しません…」の言葉を刻みたいと話したところ、ひとりの人が、「次の集会でその言葉をプラカードに書いて参加する」と話されました。行動するアメリカ女性のたくましさを感じました。
8日はサンダンス会場でのアメリカ先住民インディアンの集会に参加。8日間の平和の儀式の最終日を見学することができました。終わって夜10時2分、長崎被爆と同時刻に、ホワイトハウス前での祈念黙祷に参加しました。
9日はペリースクールで子どもたちと交流。そのあと、ベネディクト修道院での夕食会に招かれました。温かく迎えていただき、証言も和やかにできました。
10日からは2班に分かれていた遊説団が合流。青年宗教者会議の平和討論に参加し、小峰さんが被爆証言をおこないました。
現地では、ジョンさん、エレンさん、宮崎さんほか、若い日本人の女子留学生や在米日本人のみなさんにたいへんお世話になりました。また、カンパで送り出してくださった東友会のみなさんに心から感謝しています。