被爆者相談所および法人事務所
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原爆展と被爆証言活動で交流会 「伝えること」の大切さを再確認

 2003年度におこなわれた原爆展と被爆証言活動の教訓を交流し合う「原爆展と証言活動をすすめるつどい」が、2004年4月24日、開かれました。主催は東京原爆展連絡センターで、会場の豊島区生活産業プラザには、杉並の尾崎守夫さんがつくった長崎原爆の「ファットマン」のビニール製模型が展示され、参加者34人の目を奪っていました。
 「この1年」の活動について、東友会被爆の実相普及委員長の横川嘉範副会長は、「2003年度におこなわれた原爆と人間展は、東友会調べだけで69カ所でのべ231日、参観者は4万5788人に達した」と報告。
 東京原水協の後藤葉子事務局長は、「原爆展が漫画雑誌で紹介され、多くの若者が見にきた。イラク戦争で、命の重さが身近な問題になってきた」などと報告しました。
 各地の実践報告で、杉並の尾崎さんは、「ファットマン」の模型は、プルトニウム型原爆の恐ろしさを知らせるのに役立った、各地から貸出しの注文が相次いでいると発言。東村山の壹岐弘さんは、「市と共催になってから参観者が倍以上になった。広島から借りている被爆の原資料が見る人の心を打っている」など報告。葛飾の長岡和幸事務局長は、平成15年度から始まった区の「被爆体験講話会」が年度内に12小中校でおこなわれ、1510人の生徒が被爆者13人の体験を聞いたなどと報告しました。北区の中西英治日本被団協事務局次長は、2003年夏に訪米して被爆の証言活動をしたことを報告。米田チヨノ東友会副会長は、証言を聞いた全校生徒が校門まで並んで見送ってくれたこと、生徒の一人が卒業後も忘れず、勤務先からメロンを送ってくれたことなどを話し、「被爆者はいまこそ原爆の恐ろしさを伝えなければならない」と結びました。
 東京原水協の西東京、世田谷などの代表からも発言があり、交流しました。最後に山本英典事務局長がまとめの発言をして閉会しました。

並べられた机に着席し話を聞く参加者たち。
原爆展と証言活動で経験交流

臨場感あふれる大きな模型

 杉並の尾崎さんがつくった長崎型原爆「ファットマン」の模型は、展示された各地の原爆展で大好評。長さ3.25メートル、直径1.52メートル、材質は軟質ビニールで、ポンプで空気を入れます。制作費は14万円弱でした。
 杉並区内3カ所で活用され、さらに文京、江東、八王子などに貸し出されて活用されました。

長崎型原爆「ファットマン」の模型。尾翼を上にして立てられている。
「ファットマン」模型