被爆者相談所および法人事務所
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あずま原爆裁判 肥田舜太郎医師はじめ4人すべての証人を採用

 2001年8月24日、あずま原爆裁判第11回口頭弁論が東京地裁で開かれ、あずまさん側弁護団が要請していた証人は肥田舜太郎医師をはじめ4人すべてが採用されることになりました。裁判所は、厚生労働省側の要望も配慮したのか、肥田医師に東さん側弁護団が尋問できる時間を60分に制限しました。
 厚生労働省側が「これまでの裁判で出された内容を今回の尋問に含めないようにしてほしい」と裁判官に要請しましたが、裁判官は、「尋問の時間だけ決めた。内容はなるべくこれまでの裁判と重複しないでほしいが、重なっても明らかにしたい点もあるだろうから弁護団にまかせる」と回答しました。
 口頭弁論では、内藤雅義弁護士と池田眞規弁護士が、肥田医師が原爆被害の全体像をいかに科学的に証言できるかを裁判官に訴えました。
 肥田医師の尋問は高見澤昭治弁護士が担当されます。高見澤弁護士は、これまでの原爆症認定裁判でも、裁判の勝利の大きな力となった肥田医師の尋問を担当されてきた方です。口頭弁論後の報告会で高見澤弁護士は、「松谷さんの裁判などでは120分程度の尋問の時間があったと思う。時間的に難しいが、傍聴される方のことも考えて、努力したい」と話しました。
 宮原哲朗弁護士は、「国側は肥田先生が証人に採用されることを、まったく予想していなかったようで、裁判官に反対尋問の時間がどのくらい必要か聞かれたとき、即座に回答できなかった。8月17日に3万人の署名を届けにいったとき、裁判長は別室にいたようだ。書記官が聞きに行って、署名を受けると返事をした。被爆者のみなさんが、自分の被爆体験をいいながら1000人分ずつ束にした署名を一人ひとり手渡していたら、途中で書記官はあわてて、自分の机に戻り、メモ用紙を持ってきて、メモしていた。あのメモとともに、署名が裁判官に渡されたものと思う。署名の果たした力は、たいへんに大きかった」と報告。
 池田弁護士は、「原爆症の認定というのは、国が被爆者だと認めて被爆者健康手帳を出しているのだから、本来、被爆者がガンになったらすべて認定すべきだ。国が、明らかに原爆以外に原因があると証明できたときだけ却下できる、ということでないとおかしい」と話し、参加者から大きな拍手がわきました。

東京地裁前に並ぶ被爆者ら集合写真。
8月24日東京地裁前に集まった東友会の人たち。あずまさんを囲んで。