被爆者相談所および法人事務所
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東友会相談事業の2025年度実績 1件にかける手数が増加傾向に

 2025年度(2025年4月から2026年3月)に東友会原爆被害者相談所に寄せられた相談の実績がまとまりました。相談件数の総数は1万1829件。2024年度に比べて750件以上の増加となっています。ここ5年ほどの相談件数は、被爆者は減っているものの、1万1000件前後の推移でほぼ横ばいです。

以下は、スクリーンリーダー用にグラフを表になおしたものです。
東友会原爆被爆者相談所相談件数と、東京都に登録されている被爆者・被爆二世の人数の10年間の推移
年度 相談件数 相談件数のうち二世に関する相談の件数 被爆者数 被爆二世数
2016年度 15,070 2,870 5,487 7,673
2017年度 15,820 3,278 5,203 7,936
2018年度 15,344 3,472 4,921 8,130
2019年度 15,593 3,358 4,691 8,231
2020年度 14,179 2,964 4,402 8,370
2021年度 11,694 2,881 4,087 8,553
2022年度 12,191 3,015 3,838 8,664
2023年度 11,771 2,962 3,557 8,830
2024年度 11,070 3,111 3,307 8,931
2025年度 11,829 3,487 3,060 9,001

相談内容の傾向

 この間の特徴は、被爆者の高齢化により被爆者本人が直接相談できず、家族や病院の職員、ケアマネジャーなどからの相談が年々増加していることです。
 全体的な傾向としては、相談してくる家族や病院・相談機関の職員が「被爆者の制度」をよく理解していない場合がしばしばあり、個々の相談に対して1から説明するケースが少なくありません。

原爆症認定の相談

 加齢にともない悪性疾患や成人病・生活習慣病の悪化などを背景に、原爆症認定申請の相談も増加しています。
 原爆症認定制度そのものをはじめ、申請書類や必要な添付資料など手続きのやり方を正しく理解してもらうためには、何度も同じような説明をしなければならないことがあります。
 特に近年、原爆症認定申請に対して厚生労働省からの照会・問い合わせが急激に増えています。申請者にとっては、国からの追加資料提出の請求にどう対応していいかわらないことも多く、そのつど東友会に相談が入ります。追加資料の提出をお願いする医療機関からも、なぜそこまでの資料が必要なのかという問い合わせがきます。

介護に関する相談

 被爆者の高齢化に比例して、介護関連の相談はいっそう増えてきています。被爆者本人からの相談もありますが、家族からの相談、介護施設や医療機関の職員からの相談・問い合わせが増加傾向にあります。
 内容としては、介護保険制度のなかで「被爆者の制度」をどう活用するかという相談と、被爆者独自の介護手当に関する相談がありますが、両方をいっしょに進めるような相談もあります。
 自宅での介護、施設入所など、介護をおこなう条件はさまざまで、それぞれの相談者の実情をふまえた対応が求められています。また、介護保険制度そのものを十分理解していないケースもあり、介護支援事業所や医療機関、行政と連携した対応が求められています。

被爆二世からの相談

 被爆二世からの相談は近年は微増傾向にあります。被爆二世も最高齢は2026年に80歳になります。このため、病気や介護についての悩みや対策についての相談が増加傾向にあり、その日に受けた相談のほとんどが二世からのものだったということもあります。「はじめて電話したのですが」と緊張した様子で電話してくる人が何人もいます。東友会の出張相談会にも、被爆者本人よりも家族や被爆二世の参加が増えています。
 一方、被爆二世も「被爆者の制度」で援助してもらえると誤解している人がしばしばあります。被爆者のように法律に基づく全国共通の被爆二世施策はありませんが、東京都には被爆者援護条例で被爆二世(被爆者の子)に対する施策が定められています。こうした実情を、「もっと早く知りたかった」という声も聞かれます。

寄り添う相談所に

 被爆者は減り続けていますが、単身者が多いことが特徴です。被爆者が抱える課題は多く、家族がいても悩みはそれだけ複雑です。
 被爆者、被爆二世、家族が、抱えている悩みや現状を安心して相談できる場として、そしてその対策を相談員が一緒に考えていく場として、東友会原爆被害者相談所は、相談者に寄り添い続ける拠り所であることがいっそう求められています。