人としての絆をつくる訪問活動に 年末見舞い交流会 東友会と東京原水協が共催
2025年2月9日、東友会と東京原水協は「被爆者年末見舞交流会」を開きました。毎年年末に共同でおこなっている、見舞金や東都生協の編み物などを届ける被爆者訪問活動の経験を交流し、今後の支援活動に役立てようと開いているものです。2024年末、東京原水協からは116人分34万8000円が贈られました。60年間の累計では1万7033人分3643万3000円のお見舞金が寄せられています。
開催の冒頭、東友会の家島昌志代表理事が、ノーベル平和賞が被爆80年の前年に授与された意義を強調。受賞の責任の重さを受け止め、東友会と東京原水協が支え合って今後の活動を進めていくこと、後継者の育成の大切さを呼びかけました。
交流会には、60年以上にわたり被爆者を支援している東京原水協の各地区代表、東友会各地区の代表が、都内17地域から36人参加。それぞれの訪問活動を報告し、交流を深めました。
被爆者を訪問して人間同士の共感を育んでいく取り組みは、核兵器廃絶をめざす活動の土台になることを確認し合う交流会となりました。
おもな報告・発言から
- 訪問すると、「なかなか外へ出て行けなくなった。来てくれてうれしい」「待っていました。ぜひあがってください」などの声があった。
- 車いすで出てきて話し込む人、玄関先でのお話となった人、筆談での会話となった人もいたが、感謝と喜びの声が多く寄せられた。
- 丹精込めて編まれたひざ掛けは、受け取った被爆者にたいへん喜ばれた
- 事前の電話では「体調が悪い」との話だったが、訪ねると元気に迎えてくれ、安心した人もた。
- 施設入所を考えていると悩みを打ち明ける人、本人は認知症なので妻が応対したお宅もあった。

年末お見舞い訪問 各地区の報告から(続報)
2024年末におこなわれた「被爆者年末お見舞い訪問」。前号(483号・2025年1月)に引き続き、寄せられた報告の一部を紹介します。
江東区
12月18日には江友会の3人で1人を訪問し、21日には江友会の3人と江東原水協1人で4人の被爆者を訪問しました。毎年原水協の方が車を出してくださるので、訪問は午前中で終わりました。
初めて訪問する人とも、話していく内に気持ちもほぐれて楽しい会話に。お一人はベッドでの対面でしたが、「ありがとう」と迎えていただき、私たちの方が嬉しくなりました。届けたお見舞金とひざ掛けに、みなさん満面の笑顔と感謝の言葉をかけてくださり、訪問してよかったと思いました。(小野口知子)

江戸川区
江戸川親江会は12月21日、親江会から5人、江戸川原水協から4人が参加し、手分けして9人の被爆者宅を訪問しました。
最高齢は96歳、一番若い人で85歳、何かしらの病気や障害を抱えておられますが、広島からお菓子を取り寄せて待っていてくれた人、玄関先で手を振って迎えてくれた人など、みなさん訪問を喜んでくれました。一人は、訪問した親江会役員と同級生。「なんか変な気持ちだね」といいながら、なごやかなひと時をもちました。

杉並区
12月21日から28日にかけて、杉並光友会の5人と杉並原水協の1人で、7人の方を訪問しました。
一人暮らし、あるいは病気療養中の人もいましたが、家族がきちんとサポートされている人もいました。
訪問した一人の方は、「被爆体験を話したくもあり、話したくもなし」とお話されていました。別の一人は退院したばかりとのことでしたが、お元気な様子なので少し安心しました。(西尾睦子)

練馬区
被爆者練馬の会は12月23日から26日にかけて練馬の会の役員3人で8人の被爆者を訪問しました。
一人暮らしの人が大半でした。ある人は、病気のため外出が困難で「会の行事に参加できないが、盛会を祈っている」と涙ながらに話され、お見舞い訪問は機会あるごとに続けたいと思いました。(綿平敬三)
